本当のシェフ。
いつか憧れた洋食店がここに。
手間をかけることでしか生まれない味。
2020年10月にオープンした洋食店が、「Byron(バイロン)」さん。
お店があるのは川越市大手町、川越市役所から徒歩3分ほどのところにあります。
川越市役所から川越街道を南へ行き、時の鐘がある鐘つき通りと交差する「大手町」交差点角にあります。
洋食「Byron(バイロン)」
川越市大手町6-1
ランチ 11:30~15:00(L.O14:30)
ディナー(土日のみ、平日は前日までの予約制) 17:30~21:00(L.O20:20)
定休日 水曜日
049-298-7503
時の鐘からも、鐘つき通りをそのまま真っすぐ川越市やまぶき会館、川越高校方面に進んで信号交差点の角にあります。
Byronさんは本来は昼と夜に営業していますが、現在はランチのみの営業となっています。
また、お店の料理のテイクアウトも行っています。
広い店内には、テーブス席・カウンター席がゆったりと配置されています。
落ち着いたすっきりとした大人の雰囲気が漂う。
お店には地域の人を中心に、市役所利用者や観光客などが足を運んでいます。
実は時の鐘とは目と鼻の先。
お店の交差点から時の鐘が遠くに見え、時の鐘からもお店の交差点が臨めるほど。
という場所でありながら、観光客よりも地元の人が中心にやって来るのは、絶妙な立地から。
時の鐘がある鐘つき通りを真っすぐ進んだ交差点にありますが、観光客がここまで歩いて来る流れは少ないですが、ゆえに、地元の人と観光客の利用のバランスが丁度良いよう。
お店目の前の川越街道が境界線になっているようで、街道までは観光地、街道から向こうは観光地外という自然な色分けがあるよう。
地元の人が普段使いで美味しい食事を求めてやって来るのが、Byronの真の顔。
Byronとしては、お店の情報発信は積極的に行っていませんが、これだけ川越内に広がっているのは、口コミの力が大きい。
そして、川越の口コミで話題になるお店はほぼ間違いはありません。
人に伝えたくなるような、いやもっと言うと、人と過ごしたくなるようなお店が、口コミを活発にさせているのでしょう。
個人店の洋食店。
川越には洋食を提供するお店、特にイタリアンは多いですが、幅広いメニューを揃えたこれぞ洋食店という、誰もが思う洋食店そのままのお店がByronさん。
それは、正真正銘の洋食店とも言える。
街の身近なレストランであるけれど、上品な雰囲気は保ち、崩さず、一つ一つ手間をかけた食事を提供するお店。
「外食」本来のわくわくを呼び起こさせられるようなお店。
今の時代、外食自体が身近になり、気軽な雰囲気のお店も多い中で、いい意味で、外食に行く時の高揚感、外食はハレの日なのだという特別感を持たせてくれるお店、と言えばいいでしょう。
今までにない全く新しい感性というより、懐かしさも合わせ持つようなお店と感じるのはなぜでしょう。
ここは、誰もが憧れた、伝統的洋食店。
日本の洋食の歴史は、主に外国で修行したシェフたちがホテルで洋食を提供したところから始まり、当初は高級なレストランであり食事だった。ホテルで洋食を食べることがステータスで、憧れ。
そこから、洋食は町場のレストランに広がっていき、徐々に身近なものになっていった。
一般的に普及したのはファミリーレストランの台頭から。
小さい頃、ファミレスのハンバーグに胸高鳴らせた人も多いでしょう。
洋食が一般化した今は、様々な国の料理が浸透して、一言で洋食をくくれない今ですが、Byronさんが体現する「洋食店」というのは、流れを遡って行った時に、かつて町場のレストランが提供していた時代を彷彿とさせる食事。
Byronはオーナーシェフ・田辺さんが精いっぱいの手間をかけた料理を提供。
オーナーシェフがお店にどっしりを構えながら自信と自慢の料理を提供していた時代を感じさせ、る。
そう、日本における、伝統的洋食店。
そして。
革新的な洋食店。
慣れ親しんだメニューが並んでいますが、どれも多彩な今の時代の調理で、メニューを見ているだけでワクワク。
やはり、洋食店は憧れの場所なのだと思い出し、気付かせてくれる。
歴史を踏まえた上での、新しい形の洋食店。
上品であり気軽。
気軽であり上品。
この両輪が、実はなかなか実現が難しいもので、ゆえにByronが熱く支持されています。
日常的に使えるお店であり、のみならず、特別な記念日などハレの日にも使えるお店である、本当の意味でも洋食店であるとも言えます。
さらに付け加えるなら、Byronにはオーナーシェフの他に、パティシエがいてデザートを担当しているという、シェフ・パティシエという両輪がいることが他の洋食店とは一線を画す。
メニューは、ランチはセットを用意。
メインはお肉にお魚を揃え、他にも多彩な洋食メニューが並びます。
メニューは常時固定ではなく、季節によって変化していきます。
メニューブックは、表紙という扉を開けば人をわくわくさせる世界が広がる。
◆ランチAセット
サラダ、ドリンク
◆ランチBセット
焼立てパン又はライス、サラダ、ドリンク
・ランチデザート
・ランチサラダ
セットに以下のメイン料理を合わせることができます。お肉やお魚、パスタやカレーなど洋食メニューがずらりと並びます。
■メインディッシュ
◆FISH
・サーモンのボワレ バジルとバルサミコの2色ソース
・サーモンのムニエル レモンバターソース
・真鯛のソテー バジルトマトソース
・真鯛のフリカッセ クリームソース(白ワイン風味)
◆MEAT
・ハンバーグステーキ デミグラスソース
・イタリアンハンバーグステーキ トマトソース
・岩手県産あべ鶏のチーズパン粉焼き トマトソース
・岩手県産あべ鶏のディアブロ風(マスタード焼き)、デミグラスソース
・むさし麦のミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)
・むさし麦豚のポークジンジャー
・アンガス牛の肩ロース カットステーキ
・プレミアムアンガス牛のサーロインステーキ
◆PASTA・OTHER
・バルサミコ風味のトマトソース(彩り野菜)
・スパゲッティ ボロネーゼ
・シーフードクリームソース(エビ・アサリ・イカ・ホタテなど)
・彩り野菜カレー
・ビーフカレー
・洋食屋のとろとろオムライス ビーフシチューソース
・バイロンサラダランチ(旬野菜と大盛サラダ、バン2個、ドリンク付き)(ランチタイムのみ)
・お子様ランチ(ハンバーグ・オムレツ・ポテト・ドリンク)
・ライス
・焼き立てパン
ランチサラダ(ランチタイムのみ)
◆DESERT
・ガトーショコラ
・ベイクドチーズケーキ
・カスタードプディング
・キャラメルソースのクレープ
・シフォンケーキのフルーツサンド
・季節のフルーツタルト
・サツマイモとはちみつのロールケーキ
・ティラミス
メニューを見ながら、これにしようあれにしようと迷うのが楽しい。
普通は食べられるメインは一品。
一品だからこそ、こうして迷い悩み、苦しく楽しい。
この中から、毎回来るたびに頼むような自分のお気に入りの一皿が見つかっていくはず。
毎回ぶれずに頼み、時に違うメニューを頼みながらやっぱりお気に入りに戻ったりし、また別の時にも迷いながら一品に絞り込んでいく過程を楽しむ。
通いながら気づいたら、全てのメニューを制覇していたなんてことも?
メインを一品味わえば、どうしたって他のメニューも気になり、制覇したくなるのも頷ける。
お客さんは、分かっている。
川越人の舌は肥えているので、この料理は簡単に作っているものではなく、時間と労力、手間、熱意が注がれている料理だと感じているからこそ、Byronさんいいねとなるのだ。
洋食店で、その真価をはかるのは、ソース。
洋食店できちんと仕事をしよとしたら最も時間も手間もかかるのがソースづくりで、ここにお店の何たるかが詰まっていると言っても過言ではありません。
この味がお店の評価を決めるものでもあり、お店の評価の分かれ目でもある。
という面から、小江戸川越STYLEがこのお店を取材するのには、それだけの説得力があるから。
Byronさんのほんの少し舞台裏を明かせば、シェフ田辺さんの料理の仕込みは、お店の閉店後に時間をかけて行われ、時に日付が変わるくらいまでかかることがある。
お店の料理の要となるソースづくりは、ベースの基となる素材を6~7時間じっくり煮込むことから始まり、そこから仕上げ工程でも時間をかけ、どのソースも一日では出来ないものばかり。
一つ一つのソースをこうして手作りしています。
最も手間のかかるデミグラスソースは、牛すじを焼いて一日置き、スープを取って寝かせて一日、合わせる仕上げで一日と、毎回2,3日かけて作っています。
このソースがあの、ハンバーグに注がれているのです。
時間をかけないとできない味。
どの料理も丁寧な仕込みが注がれ、時間をかけた仕込みからしか生まれない味わいを感じさせる。
どの料理も安定した質で、何を食べても安心して身をゆだねることができるのでした。
お客さんの期待が、期待のハードルが上がるゆえに田辺シェフは、
「料理の手抜きはできない。仕込みはしっかりやらないと」
とモチベーションに繋がり、
本人としても、
「料理は手抜きしたくない」
と気持ちを引き締めるのでした。
メインの中ではハンバーグはお店で人気で、やはり、洋食店として外せない大事な料理。
他にも肉では鶏があり、魚料理にパスタ、オムライス、カレーなどがあります。
Byronで使用する素材は、お肉は牛・豚・鶏すべて国産のみ使用しています。
それぞれのメインで季節によって味付けを変えたりしながら変化を出しています。
洋食店といえばどんなメニュー?と問われ、
ハンバーグ!と答える人も多いのではないでしょうか。
洋食店=で切っても切れない関係にある、ハンバーグ。
洋食店のハンバーグの魅力。
洋食店でこそハンバーグは光る。
料理の調理についても、素材を活かしきる調理を心掛け、「焼く」調理も、お肉ならお肉によって熱の入れ方を細かく考えて丁寧に焼き分けているのが伝わるような、味。
素材選びから、仕込み、調理に至るまでの一体が、全て丁寧で貫かれている料理たち。
また、料理だけでなく、Byronのもう一つの魅力がデザート。
こちらは別のパティシエが担当し、プリンなどが人気。
料理と同じく、丁寧に手間をかけられたデザートは、シェフの料理と融和し相乗効果を発揮しているよう。
洋食の他に、デザートメニューも人気です。
地元の人では、お昼からワインなどのお酒と共に食事という光景も見られ、そうしたゆるりとした光景が店内に広がるのを見るのも、またいいもの。
Byronとしてメニューはまだまだ序章で、これからの構想では、本格料理としてローストチキン・ポークなどの料理も展開していけたらと考えています。
また、節目のイベントとしてクリスマスメニュー、他にもバレンタインやハロウィンなど節目ごとに限定料理を用意していこうとしている。
シェフの腕をいかんなく発揮する料理を、特別な日に味わう日。
また、記念日にはパティシエがいるByronならではとして、クリスマスやバレンタインなどに特別なデザートの展開もできそう。
食事は楽しい。
食事の本来持つ魅力を感じさせてくれるような場です。
Byronさんでは、テイクアウトにも力をいれ、お店の料理を自宅などで食べることもできます。
仕事帰りにByronでお弁当を買って帰るのも日常風景として浸透しています。
(お店で提供しているメニューは基本全てテイクアウト対応しています)
以前は、ディナータイムになると、ディナーセットの他にコースセットも用意していました。
お酒に合うつまみも充実しています。
日が暮れるとByroんさんのディナータイム、ゆっくりと食事を楽しむ時間がやって来ます。
周辺では夜営業する飲食店が少ないため重宝がられている。
ディナーのメニューは、ランチにはない一品料理が登場しますが、基本はランチ同様食事をメインに提供しています。
ディナーでもお肉やお魚といったメインは変わらず。
ランチと変えない、一日を通して同じメインを提供するというのもByronさんの信念。
ランチで食べたあのメニューをディナーでも食べたいと思ったが夜には提供していない、夜に提供していたあのメニューをランチで、、、といったことがなく、いつ行ってもあのメニューがあるという安心感。
一般的に飲食店では、ランチタイムとディナータイムのメニューは変わり、ディナーはお酒の提供と共にお酒のあてになるものが多くなるもの。
そうなると、お酒を飲めない人はディナータイムは遠慮しがちになる・・・というのを考慮し、
Byronさんでは、
「食事を楽しんでもらいたい」
と考え、ランチ・ディナーを通し一貫して同じ食事の提供に徹底しています。
ゆえに、お酒の種類は多くなく、お酒がメインにつまみがある、のではなく、食事があってお酒もあるという関係になっています。
食事に対する真摯な眼差し。
ランチとディナーで雰囲気が繋がっているのが逆に新鮮で、美味しいハンバーグならランチとディナーで変える必要がない、美味しいハンバーグを時間帯関係なく提供したいと思いが伝わります。
Byronのオーナーシェフ田辺さんは、川越市霞ヶ関地区の人。
霞ヶ関と言えば、川越市内でも特に地元愛が強い人が多い地域としても知られる。
田辺さんは昔から料理人としていつかは自分のお店を開きたいと思い、調理師専門学校を卒業。
そのまますんなり料理の道に進まなかったのも、今となっては人生の大きな経験。
実家が精密機械の会社を営んでおり、そちらの仕事に永く従事していました。
ただ。
本人としては料理の道は断念しがたく、先々として自分のお店を持つ夢を抱きながら、いくつかのレストランで働くようになっていった。
田辺さんが腰を据えて働いていたのが、川越の東武ホテル。
東武ホテルは現在、川越駅西口にあるU_PLACEに移転していますが、以前あったのが、川越駅東口側アカシア通り沿い。この場所で長年市民に親しまれたホテルでした。
田辺さんは、ホテルの宴会や婚礼の食事を担当する宴会洋食部門で腕を振るっていました。
川越市民なら、旧東武ホテルの宴会場を使ったことがある人は多いでしょう。
あの料理を担当していて一人に、田辺さんがいました。
東武ホテルでは7年ほど働いていました。
(アカシア通りになった旧東武ホテル)
ホテル時代はシェフとして料理を作るだけでなく、食材の発注・原価計算、メニュー開発、試作、調理、全体を見る仕事が今のお店運営にも活かされている。
また当時は、お客さんに提供する食事以外に、職場内の賄いを積極的に引き受けて提供し、周りの意見を参考にしながら試行錯誤し、自分オリジナルの味を作り上げていました。
「東武ホテルの7年の経験は非常に大きい」
そして、満を持して念願だった自分のお店を2020年10月にオープンしました。
本当のシェフ。
洋食店はやはり、憧れの場所なのだ。
そして、憧れが日常の場としてある幸福を感じ入る。
お店を後にして鐘つき通りを歩いて行けば、視界の先には今日も静かに佇む時の鐘。
間違いない食事を楽しんだ後に、時の鐘を眺めるという、何という川越の贅沢。
上質な体験と川越の時の鐘や蔵造りの町並みは、やはり相性抜群。
余韻に浸りながら、いつまでも余韻が続くのでした。
洋食「Byron(バイロン)」
川越市大手町6-1
ランチ 11:30~15:00(L.O14:30)
ディナー(土日のみ、平日は前日までの予約制) 17:30~21:00(L.O20:20)
定休日 水曜日
049-298-7503