皆さん、おはようございます。

ころぼっくるです。



皆さんは、ひったくりに遭ったことありますか?

よく、年配の手さげカバンを若い男性が走りながら取っていって…というのをテレビで見ますよね。



私はリアルにひったくりに遭ったことがあります

Σ( ˙꒳​˙ )



忘れもしない、19歳の9月の夜更けのことです。




あの日の夜、私は塾講師のバイトの夏期講習終わりの打ち上げでした。

居酒屋で他の先生たちと飲み、最寄り駅からはチャリで自宅まで帰る予定でした。


終電で帰ってきたので辺りは静まり返っています。

駅の反対側は学生街なのですが、私が住んでいるのは大学のすぐ裏。


学校に通うのには、通学もいらないくらい。

窓を開けたら「はい、大学の校舎!」ってくらい目の前に住んでいました。




大学は最寄り駅からは歩いて15分くらいの所にあり、すごい急な坂道を越えるので、普段はスクールバスが出ています。


私も普段出かける時はそれを使っていましたが、夜遅くなる時はバスがないのでチャリで最寄り駅まで行って、それで帰ってきます。


あの夜もそうでした。




塾講師なので上下スーツ、上は暑かったのでジャケットを脱いでカバンに入れブラウス一枚、下はスカートにストッキング、履きなれないパンプス。


それでチャリで約10分くらいの自宅に向かっていました。




周りに、他に帰る人は誰もいません。


その日、もう日付が変わる頃でしたが、月がだいぶ低く大きく見えました。


あとからスーパームーンだったと知りました。








遠くの建物の上にオレンジ色に光る、幻想的な月に見とれていました。




駅から一番大きい坂道を下る途中で、後ろからずいぶんとゆっくり走ってくるバイクがいるな、というのは音でも目視でも分かっていました。


なんだろう、酔っ払いなのかな。

事故らないといいな。


そんなことをぼんやり考えながら月を見てチャリを漕いでいた瞬間!




『バッッッ!』




橋の上を走っている時に、自転車の前カゴに縦に入れていたスーツ用の黒いバックを、後ろから来たバイクに取られました。


一瞬の出来事でした。




バイクは後ろで速度を緩めることなく私に近付いてきて、バッグをとっ掴んでそのまままっすぐ逃げました。




「やめて!」

そう思いましたが、こういう時って、ホントに声が出ないんですね。


叫び声にもならないまま、赤いブレーキランプが離れていくのを見ていることしかできませんでした。




でも何故か、この時の私は「チャリを全速力で漕げば追いつけるかもしれない!」と思い、現場から数十m動いてしまいました。


当然、バイクの速度に追いつけるわけありません。


犯人を見失ってから、街の消防団の建物に付いている赤いランプを見て、

「あ、110番しなきゃ!」

と、我に返りました。




スーツにはポケットが付いていなかったので、携帯(当時はまだガラケー全盛期)もバッグの中に入れていたんですが、ひったくりがバッグを取った衝撃で、携帯だけが地面に落ちたんです。


不幸中の幸いでした。


その携帯から、生まれて初めて110番をかけました。


ひったくりに遭ったこと、犯人を見失ったこと、どうしたらいいかわからないこと。


警察の設備というのは優秀で、携帯の基地局から私の居場所を特定してくれました。

そしてすぐに警察を向かわせますので、そこで待つように言われました。




大変なのはその後です。


終電で帰ってきているので、時間は既に午前一時。


しばらくすると警察官10人とパトカーが4台集まりました。

どうやら、私が被害に遭ったのが東京都と神奈川県の県境の川の上の橋だったため、どちらの管轄になるかわからず、両方から警察が集まってしまったのでした。


話し合いの結果、

・私が東京都に住んでいること

・犯人が東京都側に逃げたこと

から、東京都側の警察の管轄になることが決まりました。

神奈川県警の皆さん、お騒がせしました…:( ;´꒳`;)




そこから実況見分です。


テレビでは見たことがありましたが、詳しいことは知りませんでした。


再び事件のあった現場の橋の上まで戻り、どの辺でどんな格好をしていた時に事件が起きたのか、自転車にまたがり、しっかりポーズまで再現して写真を何枚も撮られました。




次はパトカーに乗って、被害品の確認です。


バッグの中に何が入っていたか、物の特徴と時価にしていくらぐらいの価値があるか、全て申告する必要がありました。


当時はまだSuicaが完全に普及していない頃で、その日はたまたま塾講師のバイトに行くためのバスカードを買うために1万円を下ろしていました。

しかもお金を下ろすために、郵便局の通帳とキャッシュカードも一緒に持っていました。

いつもは3000円くらいの財布の中身が、この日に限って潤っていたわけです。


これは被害が大きかった…。




その他に、筆箱、ポーチ、腕時計、スーツのジャケットなど、盗られたものはすべて被害届を出すということで記録に残すため、筆箱やポーチの中身も全部思い出して、特徴や時価にするとどれくらいか言わなくてはいけませんでした。


筆箱の中身は、中学時代から使っている文房具の数々です。

ポーチも、ハンカチやリップ、ヘアゴムなどが入っている程度。

腕時計に至っては、雑貨屋さんで1000円で買った日付が出るタイプのものです。


どれもブランド物でもないし、年季が入りすぎて、時価に直したら数百円にもならないものだらけでしたが、全部申告が必要でした。




それと同時並行で、お財布の中にある、カードを止めなくてはいけません。

未成年なのでクレジットカードはなかったですが、キャッシュカードが3枚入っていたので、それはすぐに凍結しました。


警察の方が、電話表一覧みたいなのを持っていて、すぐに番号を教えてくれました。

盗難・紛失の際は24時間関係なくカードは止まるんですね。

しかしこの時にめんどくさいなと思ったのが、「未成年の方ですので、後日親権者様からの確認のお申し出が必要です。」とどこにかけても言われたことです。


それが終わったら、またパトカーに戻って、指紋を取ったり、実家の住所や自分の住所や連絡先を書いたりと記録を残して、ようやく終了。




終わったのは午前二時半。

事件が起きてから、二時間経過後のことでした。


本来であれば、未成年なので親権者の身元引受けが必要です。


しかし、上京あるあるで、それは地元を離れてしまったら容易にかなうものではありません。

今回は、私が悪いことをしたわけではないので、身元引受けはなしでいいということになりました。




しかし、バッグを取られてしまっているので、家の鍵も何もありません。


あるのは、チャリと、チャリの鍵と、ケータイと、あとは着の身着のまま。お金もありません。

9月の真夜中にブラウスにスカート一枚は冷えた…

:( ;´꒳`;)


時間も時間だし、近くに頼れる友達もいません。


実家も100%寝ています。




その頃は地元のおばあちゃんが24時までの駅前の立体駐車場の管理バイトをしていました。

そこから帰って、ご飯食べたりお風呂入ったりで寝る準備するから、もしかしたらと思っておばあちゃんに電話をかけました。


繋がりました!!


事情を説明し、ひったくりにあったこと。

今、手元にはケータイしかないこと。

家に入ろうにも不動産屋さんはやってないし、契約関係は全部親がやっているから私は何もできないことを伝えました。


するとおばあちゃんから

「あんた、東京行ってこんな夜遅くまで遊び呆けてるからこんなことになるんでしょうが!今夜は警察の人に頭下げて、留置所でも何でもいいから泊めてもらいなさい!人様にご迷惑かけるんじゃないよ!」

と怒られました(´・ω・`)


えぇぇ…( ꒪⌓꒪)

そんなこと言われても私には今、何も出来ないよ…:( ;´꒳`;)




その時はまだパトカーの中だったので、警察の人に

「すいません、祖母に電話が繋がったので身元引受けはできるんですけど、実際家の鍵がなくて今夜行く場所がなくて…警察の留置所でもいいので朝まで置いていただけませんか?」と聞いてみました。

(毛布1枚で簡易的な牢屋?に入っているイメージがテレビで植え付けられていた。)


すると警察の人は困った顔で、

「うーん、犯罪を犯したわけじゃないし、留置所には簡単に入れられないんですよ。僕らの管轄じゃないんです。」

と言われました。


しばらくパトカー内に沈黙が流れます…。




しばらくして、恐らく一番偉い人が

「どこも部屋は用意できないけど、警察署の受付は24時間開いてるんで、そこにいる分にはいいですよ。」

と言ってくださいました。


おぉ、神よ…(-人-)ナムナム…




でも実際行ってみたら、夜間受付の前に、ホントに硬いプラスチックで出来た椅子が甲子園球場みたいに並んでるだけで、毛布も貸してもらえません。


ブラウスにスカート一枚で、寝っ転がるわけにもいかず、足元も隠せず、ただひたすらに座って朝を待ちます。




当時はまだmixiが全盛期でして、ケータイの充電がいつ切れるかわからなかったので、私は警察署に着く前にmixiのつぶやきに「ひったくりに遭って家に入れません。○○警察署にいます。誰かこれを見た方、迎えに来てください。」とだけ書き込んでおきました。

警察署は駅から離れており、車かバイクで迎えに来てもらうか、誰かに電車賃を借りてその家に泊めてもらうしかありませんでした。




ひたすら硬いイスの上で寒さに耐えること、3時間半…。

その間、充電が切れたら必要な連絡も取れなくなるので、ケータイも触れず、ただただ誰かが気付いてくれるのを待つ日々…。




するとmixiに「今からバイクで迎えに行くよ。15分くらいで着くから。」

と同級生の男の子が連絡してくれました。


その子は大学入学前から、オリエンテーションで仲良くなって、電話やメールでもよくやり取りしていた友達です。


地元なだけあって土地勘もあり、警察署まですぐに迎えに来てくれました。




聞くと、学校のすぐ側に彼女さんの家があり、その合鍵を持っているから、そこに連れて行ってくれるとのこと。

彼女も私の友達ですが、彼女は私がひったくりに遭ったことを知らない。そして実家に帰っていたため、家主不在の家に入ることになる…。

それってどうなの?(;-ω-)ウーン


しかし、彼氏の方が「彼女には伝えてあって、入っていいって言ってるから。」と言うので、お言葉に甘えてバイクに乗せていただくことに。


ヘルメットを被り、バイクの後ろに乗ります。

初めての体験!(>_<) しかも人様の彼氏。

そもそもどんな体勢で乗っていいのかわからず、しかもブラウスとスカート一枚にパンプスなので、寒いこと寒いこと。


振り落とされないようにするのが精一杯で、自宅までの記憶がありません。




彼女の家に着き、ケータイの充電だけさせて頂きながら、朝すぐに親に連絡が付くようになるのを待つことに。


幸いにも平日だったので、朝6時には親に連絡が付き、不動産屋さんに連絡してもらって、すぐ鍵を交換してもらいました。(レオパレスだったので鍵交換もサービスに入っていた。)


鍵を交換してもらえれば自宅に入れるので丁重にお礼を伝え、一日ぶりの自宅へ帰宅。




ひとまず私服に着替え、学生課へ。


昨日ひったくりに遭ったことと、お財布ごと盗られたので身分証とお金もないことを話すと、学生証の再発行手続きと、生活困窮者向けの一時的にお金を貸してくれるサービスがあり、そこでひとまず1万円を借りることに。


もうその日は大学の授業は休み(体力的に無理)、次は銀行印と仮の学生証を持って、郵便局へ行って通帳とカードの再発行手続き。

銀行印があったので、通帳凍結は解除され、窓口であればお金を下ろせるとのこと。


お財布はおろか、バッグもスーツも何もかも失っているので買い替えなければならず、学校に返す分もあるので、そこで10万円下ろす。




そのまま乗り換え駅まで行き、失った身の回りのものを取り急ぎ揃えて、他の銀行のキャッシュカードも再発行手続きをして帰宅。


スーツの買い替えが一番高かった…┐(´д`)┌

入学式の時に記念に作った、オーダーメイドのスーツだったから寸法ピッタリだったんだけど、今はそれを作り直す余裕なんてないので既製品で間に合わせる。


学生課にお金を返済し、帰宅。




長い長い一日(二日?)だった…(´Д`)ハァ…




何が一番大変だったかって、19歳というその時は世間一般的に未成年だったから、カードを止めるのも、不動産屋さんへの連絡も、警察とのやり取りも、何もかもが親権者の同意が必要だったこと。


あと一ヶ月で20歳だったのに…。

そうしたら、少しは手続き楽だったかもしれないのに…。




そしてこの体験で学んだこと。



警察署の人に言われたのは、

『カバンは前カゴに入れちゃダメ!』

ということ。


スーツ用のバッグは四角いから前カゴに入れやすけど、その分ひったくりも取りやすい。

しかも、ある程度お金持ってそうって判断するらしい。


手さげとかバッグを前カゴに入れる時は、必ずかごカバーをするように言われました。


あとリュックも、背負う肩ひもの部分を両方自転車のハンドルに引っ掛けて安全って思ってる人が多いみたいだけど、あれが一番危険!

ひったくりがリュックを取った時にハンドルも一緒に取られて、自分が怪我する羽目になる!

そうなると、犯人は「窃盗」から「強盗致傷」って罪名に変わるらしい。


リュックや肩掛けは、チャリに乗る時はそのまま身に付けて!




あと私が気を付けているのは、夜暗くなってから帰る場合は、絶対にイヤホンを付けない!


後ろから何があるかわからないし、今回もイヤホンしてなかったから、バイクの音には気付くことが出来ました。

今ならバイクの速度の遅さから、怪しいことがわかります。

でもイヤホンをしていたら、周りのクラクションぐらいの大きい音もそうだし、後ろからのバイクの音なんてほとんど聞こえません!


これはチャリじゃなくて、歩きや電車でも気をつけること!




私は夕方までに帰って来れる時はイヤホンするけど、日が暮れたら駅でイヤホン外して帰ってきます。

リュックも背中に背負ったまま、カゴには入れません。


あれからずいぶんと時は経ったけど、今でも気を付けています。




実際、未成年というだけでできることが少なく、自由もないのに親元を離れて暮らすのはとてもリスキーなことです。


万が一、ケータイを落としてしまった時や災害時の時にも備えて、緊急連絡先は手書きで持ち歩いた方がいいと思います。


未成年では親元を離れてもクレジットカードも作れないし、分割も組めないです。

私は大学入学時のPCを生協推奨のやつを家電量販店で探して6万円近く安く買いましたが、それも分割組めなかったのでイラッとして一括10万でその場で買って帰りました。


ケータイの機種変も未成年だけでは出来なくて、名義が自分になってても、本体の分割は組めません。

故障して使えないから携帯ショップ来てるのに、親権者の同意書書いてきてくださいって…バカなの?

(´°ω°)チーン

今電話が使えないから困ってんの!!(笑)

その時もイラッとして、本体代一括で買い換えました。


一括で出せるだけのお金を高校時代に貯めておいたから良かったですが…。




こうやって困ることがたくさんあるので、新生活を始めた皆さん、気を付けてくださいね!




また長くなってしまったー!( ´゚д゚`)アチャー

取り留めもないですが、ここで終わりにします。


またお時間のある時に、遊びに来てくださいね。



(追記。)


そうそう。

ひったくりの犯人ですが、2ヶ月くらい後に神奈川県警から私のケータイに連絡があって、無事に?捕まったそうです。

私から盗ったものは、財布の中身だけ抜いてすぐにコンビニのゴミ箱に捨てたらしく、何も戻ってきませんでした。( ˙ᒡ̱˙ ®)


ちなみに犯人は38歳の男で、余罪が20件あるって言ってました。

いい歳した大人が、10代から金盗ってんじゃねーよ!(笑)


悪いことした人は、必ず天罰がくだるんですね。


その電話の時に、警察の人から「お姉さんの持ち物の中に、GUCCIとかVUITTONとかありませんでしたか?」って聞かれたんですけど…。


いいえ、私が持っていたのは、地元のイトーヨーカドーで1000円で買ったスーツ用のバッグと、高校時代から使っている、こちらも1000円の長財布でしたよ…(´Д`)

ちなみに鍵はカードキーだったので、むき出しでカバンのポケットに入れてました(* 'ᵕ' )☆

ブランド品とは無縁の生活!(笑)


安くても、ちゃんと使えば長持ちしますからね!


お手入れ頑張りましょう٩(ˊᗜˋ*)و