いつもは遠巻きにこちらを見るだけの半野良猫が、外出しようとしたら家のなかに入ってこようとした。それをさえぎって外に出ると、今度は体を撫でろと言わんばかりにゴロンっと横になり、お腹を見せた。

どうしたんだ?っと思いかけてビックリした!頭、首、肩、前足、カサブタだらけ。こんな傷だらけの猫を初めて見た。お尻や後ろ足には一切傷がない。逃げなかった証拠。とても強い子。

傷に注意しながらしばらく体をなでていた。頭を擦り付けてくるけれどカサブタが剥がれるのではないか?傷が開くのではないか?とヒヤヒヤした。(^_^;)

 お腹を触ったときに大きなカサブタに触れた。ゴメン‼っと思ったときには、既にワタシは噛まれていた。
でも、手かげんしてくれたことが充分伝わってきた。猫の眼差しに敵意は見られず、相変わらず《触ってくれ。》っと穏やかに横たわってた。

ワタシの手は少し裂けてた。でも、その子に対して怒りは無く、その後も体をなでていた。

猫の《痛かった。》っとそれだけだったことがちゃんとわかったから。

彼らの表現はシンプルで分かりやすい。
人と接するとき、痛い思いをしたときに相手の真意を読むのが難しい。感情が複雑だから。

でも、複雑じゃなくてもいいんだよな。思いを伝えたいときにたまたま痛い思いをさせてしまったとしても、シンプルに伝えることができればちゃんと相手にも伝わるのだと思う。

やみくもに、《傷つけたくない。》って思う方がややこしくなっちゃうのかもな。
傷つけたっていいんだ。きっと…