言うまでもなく、糖尿病は狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や脳出血といった心臓血管疾患の重要な原因です。

日本人はアメリカ人と比較して肥満者の割合が少ないと申し上げました。しかし、肥満と最も密接な関係にある糖尿病患者の割合は日本人もアメリカ人もあまり差がないのです。糖尿病は生活習慣や肥満と関係なく、膵β細胞に対する自己免疫疾患として発症する1型糖尿病と、インスリンの相対的不足が原因で発症する2型糖尿病に分類されます。1型糖尿病は膵β細胞でインスリンが産生されなくなるので、インスリンを外から投与することが必要です。これに対して2型糖尿病はインスリン非依存性糖尿病とも呼ばれ、初期の段階ではインスリン分泌は保たれていますが、晩期になって膵β細胞の機能が低下してくるとインスリンの投与が必要になってきます。日本では糖尿病予備軍を含めると約二千万人(十六%)の人が2型糖尿病の危機に曝されています。つまり、日本人は痩せていても糖尿病になりやすい民族であるといえます。これは日本人が農耕民族の遺伝子を引き継いでいることと無関係ではありません。

古代、世界の文明発祥地では農耕文化を発展させました。これによって、人々は日々安定的に食糧を得られるようになり、ブドウ糖を代謝するホルモンであり、倹約ホルモンの一つでもあるインスリンを大量に分泌して、食によって得たエネルギーを皮下脂肪や内臓脂肪として蓄える必要がなくなりました。したがって、農耕民族である日本人はインスリンの分泌が悪い体質に変わっていったのです。

日本人のメタボリックシンドロームは、もともと少ないインスリン分泌量に加え、後述するインスリン抵抗性というインスリンに対する感受性の低下が相まって、糖尿病をさらに発症しやすくなっています。これに対し、欧米人は狩猟文化で獲得した遺伝子を引き継いでいます。狩猟生活ではいつも獲物にありつけるとは限りません。時には何日も食糧にありつけないこともあります。このような環境で生存するため、狩猟民族はインスリンの分泌を盛んにして食糧を脂肪として蓄えるように適応しました。生活習慣の変化に伴い、欧米人は肥満が増加しましたが、インスリン分泌量が多いために糖尿病を発症しにくい体質なのです。

日本人が糖尿病を発症しやすい体質であるからといって悲観する必要はありません。後で詳しくお話ししますが、日本人が糖尿病になりやすいことは、日本人が世界有数の長寿民族であることとも関係しています。

 

 

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引用元:ご存知ですか?日本人は糖尿病になりやすいことを。