今日は待ちに待ってたJ2開幕戦である。
というか、だった。
結果や内容はエックスでぶちぶち言っているので、もう言わない。甲府相手に1-5。ぼろ負けだ。
長年サッカーを現地で見てきたが、それ故になんとなく考えていることを書いてみる。
団体球技は基本的にチームスポーツで、ルールに従いボールを特定の場所に運んで得点を競う、というのが共通項になる。
バスケにしろ野球にしろアメフトにしろ、手でボールを掴んでコントロールする、というのが基本で、相手の防御をかいくぐって味方にパスをつなく、というのがボール運びの基本となる。
だが、サッカーは手でコントロールできない。これはどういうことかというと、パスを受ける方が手を使うことができないということをさす。つまり、次の手順で特定の箇所にボールを置く、はじくことを可能にするというのは、特にダイレクトプレーの場合、出し手は受け手がいる場所を的確に認識し、適切な強度でボールを蹴らなければならないということになる。
ボールのスピードが低ければ、間にいる守備側に奪われる可能性が高くなる。守備側は正確にボールをコントロールする必要はなく、弾いてコースを変えさえすれば、攻撃側の意図を阻止することができる。
このため、攻撃側は、守備側の守備範囲を掻い潜るため、的確なパスを出す必要がある。スピードがあれば相手の守備範囲は狭くなるが、そのための受け手の位置取りがとても重要になってくる。
これを組織的に、かつフィールド全体を使って行うのがポジショナルプレー、所謂スペイン式、欧州型と呼ばれるサッカーである。
去年までの徳島ヴォルティスは、三人のスペイン人監督を招聘し、「徳島ならではのサッカー」を見せつけ、サポーターを魅了していた。
選手の位置取りでスペースを作り、数的優位を常に保ち、作為的にチャンスを作り、無理はせず何度もチャンスメイクを行う。
それはそれで相手に対処されることも多くなってきたものの、それが徳島のサッカーの魅力となっていたのだ。
無論、サッカーは常に変わり続ける。いつまでもポジショナルに拘ることもまた進化を阻害するかもしれない。
しかしながら、前提で述べたように、ボールを適切に運び、鋭いシュートを放つには、適切なポジショニングが不可欠なのだ。それを一人でできるスペシャルな選手もいるにはいるが、J2レベルではチームとしての約束事であるか、もしくは選手同士の連携が重要となる。
今日の徳島と甲府の差は、まさにそれで、甲府はACLという素晴らしい舞台での真剣勝負を二度もこなした後であり、チームとしての完成度が現時点で徳島を上回っていた、というのは確かにあるだろう。
とはいえ、「本当にそれだけなのか?監督や強化部はちゃんと認識できているのか?」というのは昨年来、徳島サポーターが疑問に思っていることであり、今日の試合結果は、さらに懐疑的な態度を呼ぶものであった、というのは否めない。
三点目が致命的だった、というのは吉田監督のコメントにあったが、前半の入りや、四失点目、五失点目のやられ方はどうなのか。
とはいえ、光明はある。特に得点のシーン。西谷が送り込んだパスに高田颯也が 素晴らしいクロスをあげ、飛び込んだ杉本が迷うことなく胸で押し込んだ、という完璧なものだった。
その後の高田の攻めは目を見張るものがあり、新加入のノアやカイケも期待できるものだった。楽しみは確かにあったのである。
(ここで締めに入ります)なんにせよ、シーズンは始まったばかり。ファン·サポーターとしては応援するしかないのであって、勝ったときは喜び、負けたときは色々ぶちぶち言うのがLA VIDAを感じさせてくれるものなのだということを噛み締めて、明日からまた生きていこう。