読書あれこれ 35 | これちゃんの 70歳からのあれこれ

読書あれこれ 35

私が、高校生の頃、ある教師が 「君たちは記念すべき年に常に

 

第一期生となって入学しているなぁ」と、言った事を覚えている。

 

それは、昭和 21年、戦後教育の第一期生として小学校に入学し

 

た事、そして、日本が独立国として認められた翌年に中学校に入

 

学している。更に国際連合に加盟した翌年に高校に入学しており、

 

国際的に日本が変わる時に遭遇しており、「まさに、記念年の申

 

し子だよ」とも言っていた。 とは云っても、何も得した事はない。

 

昭和 21年からの小学校教育は、カタカナから平仮名へ・・・戸惑っ

 

のは生徒ばかりではない。先生が一番 途惑ったと思う。

 

「天皇陛下万歳」の精神から、「天皇は国民の象徴へ」・・・すべか

 

く、アメリカ合衆国 とマッカーサー元帥の統制の下に、教育も政

 

も、大きく変わっていった。

 

終戦・直前の 8月 8日に、旧ソ連は 日ッソ不可侵条約を破棄して

 

日本に戦線布告し、終戦後もソ連は侵攻を続け、現在の北方領土

 

占領し、多くの捕虜を抑留して寒いシベリアで労働させた。

 

そして更に、戦後の処理として、名古屋を境にし西に分断して、

 

占領統治を分けようとしたアメリカに提案した。その申し出をマッカ

 

ー元帥が却下したと聞いている。

 

もしも、そうなっていれは、ドイツ、朝鮮半島、ベトナムと同じような

 

状況になっていたかもしれない。

 

戦争で大きな犠牲を払ったが、今の平和がある事を先人に感謝し

 

なければならない。

 

   

 

* 危険なビーナス  東野圭吾著  講談社

 

弟が失踪した。彼の妻・楓は、明るくしたたかで魅力的な女性だ

 

った。楓は夫の失踪の原因を探るため、資産家である弟の家族

 

に近づく。兄である伯朗は楓に頼まれ協力するが、時が経てば

 

経つほど、彼女に惹かれていく。

 

 

* 乾山晩愁  葉室麟著   角川文庫

 

天才絵師の名をほしいままにした兄・尾形光琳が没して以来、尾

 

形乾山は陶工としての限界に悩む。在りし日の兄を思い、晩年の

 

「花籠図」に苦悩を昇華させるまでを描いた歴史文学賞受賞の表

 

題作など、珠玉5篇を収録。

 

 

* ほかげ橋夕景  山本一力著   文春文庫

 

祝言が決まった娘に冷たくする父。心の内は?


祝言が決まった娘は冷たくなった父に戸惑う…。親子の絆、恩人

 

への情、清水の次郎長晩年の逸話など、人情時代小説の粋を集

 

めた八編。

 

 

* ライフ  小野寺史宜著   ポプラ文庫

 

快速が停まらない街、しかも駅から徒歩十五分。荒川沿いに立つ

 

築三十年のアパートに井川幹太はひとりで暮らしていた。学生時

 

代も、就職してからも、会社を辞めてからも、ずっとおなじ部屋での

 

ひとり暮らし。やりたいことも見つからぬまま、気がつけば二十七

 

歳になっていた。父は高校生のときに他界、母は再婚して別の家

 

庭をもっていたから、いまの幹太の生活は自分ひとりだけのもの。

 

コンビニでアルバイトをしながら、たまに結婚式の代理出席のバイ

 

トも入れる以外は、これといって何もない日々。そんなある日、上

 

の部屋に戸田という騒がしい男が引っ越してきて、奇妙なつきあ

 

がはじまる。図々しく遠慮のない言動を警戒していたが、自分

 

の過ちを隠そうともしないあけっぴろげな戸田とその家族のすがた

 

に、幹太は次第に惹かれていく。――。未来に何の期待も持てず

 

にいた青年が、明日への一歩を踏み出すまでを描いた胸に迫る

 

春小説。