読書あれこれ 22
十数年前になるかなぁ? 大ヒットした秋川雅史さんが唄った
「千の風になって」・・・。 「作曲」 と 「訳詞」 は芥川賞作家の
新井万さんですが、元々の作詞家は不詳らしいですね。
原詩を直訳すると次のような詩になるようだ。
私の墓の前で泣かないでほしい
私はそこにはいない 眠ってはいない
私はそよ吹く千の風
雪上のダイヤモンドの煌めき
穀物に降り注ぐ太陽
優しき秋の雨
朝の静寂の中 貴方が目覚める時は
私は天高く舞い上がり
空から静かに貴方を見守る
夜には星になって貴方を優しく照らす
私の墓の前で泣かないでほしい
私はそこにはいない
死んでなどいないのだから
訳詞にケチを付けるつもりではありません。むしろ状況を的確
に把握し大衆の心を打つ詩に置き替えた才能に感嘆している
のです。
* いっしん虎徹 山本兼一著 文藝春秋
伝説の刀鍛冶・虎徹には壮大な夢があった。己を超える刀を鍛え
るべく、命を懸けた男の一代記。時代小説の新分野を切り開く野
心作
* 着物始末書 ② 藍の糸 中島要著 ハルキ文庫
呉服太物問屋の若旦那・綾太郎は、着物の染み抜きなどをなんで
もこなす着物始末屋・余一のもとへ打掛の始末を頼んだ。 毛嫌い
する余一を困らせようと、生地が弱りすり切れた打掛けを渡したの
だが、その仕上がりは非の打ちどころのない出来栄えだった。
余一に対して、何としても一泡吹かせたいと願う綾太郎。そんなあ
る日、彼は古着屋の六助を伴い、余一に想い寄せるお糸の飯屋を
訪れた。血の気が多い職人や人足などの男達を前に、てきぱきと
働くお糸を見て、綾太郎は彼女に惹かれはじめるが―――(「藍の
糸」より)。大好評、連作短編時代小説。待望の二弾!!
* 熟年革命 渡辺淳一著 講談社文庫
世間体にこだわらない「年甲斐のなさ」こそが人生を変える。熟年
を迎えた、あるいはこれから迎える男女にとって、必要なこととは
何か。定年後の生活を楽しむためには。恋愛が心身にもたらす効
用とは。著者だからこそ書けた、激動の時代に輝きながら年齢を
重ねる極意の書。新しい熟年が、新しい日本をつくる!
* 花咲家の休日 村山早紀著 徳間文庫
勤め先の植物園がお休みの朝、花咲家のお父さん草太郎は自ら
の少年時代を思い起こしていました。自分の耳には植物の声が聞
こえる。その「秘密」を抱え周囲の「普通」の友人たちとは距離をお
いてきた日々。なのにその不思議な転校生には心を開いた…。
月夜に少女の姿の死神を見た次女のりら子、日本狼を夢見、探そ
うとする末っ子の桂、見事な琉球朝顔を咲かせる家を訪う祖父木
太郎。家族それぞれの休日が永遠に心に芽吹く、シリーズ第二弾!!