読書あれこれ 18
今回の読書はすべて素晴らしかった。柚月裕子氏の「教誨」は
良かったですね。 元々彼女の作品は全部を読んでおり、今回で
18冊となった。
又、垣根涼介しの「室町無頼」も楽しく読めました。お薦めです。
* 教誨 柚月裕子著 小学館
吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受
人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取
った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。
香純は、響子の遺骨を三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺
がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した
言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。
* ホテルローヤル 桜木紫乃著 集英社文庫
北国のラブホテルの一室で、心をも裸にして生々しく抱き合う男と
女。互いの孤独を重ねる中に見えてくるそれぞれの人生の大切な
断片を切り取る。第149回直木賞受賞作
* 室町無頼 上 垣根涼介著 新潮文庫
応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵は骨皮道賢に見込まれる。
道賢はならず者の頭目でありながら、幕府から市中警護役を任さ
れる素性の知れぬ男。やがて才蔵は、蓮田兵衛に預けられる。
兵衛もまた、百姓の信頼を集め、秩序に縛られず生きる浮浪の徒。
二人から世を教えられ、凄絶な棒術修業の果て、才蔵は生きる力
を身に着けていく。史実を鮮やかに跳躍させ混沌の時代を描き切
る、記念碑的歴史小説。
* 室町無頼 下 垣根涼介著 新潮文庫
唐崎の古老のもと、過酷な鍛錬を積んだ才蔵は、圧倒的な棒術で
荒くれ者らを次々倒す兵法者になる。一方、民たちを束ね一揆を謀
る兵衛は、敵対する立場となる幕府側の道賢に密約を持ちかける。
かつて道賢を愛し、今は兵衛の情婦である遊女の芳王子は、二人
の行く末を案じていた。そして、ついに蜂起の日はやってきた。時代
を向こうに回した無頼たちの運命に胸が熱くなる、大胆不敵な歴史
巨編。