郡上八幡に生まれて

その地を出るのを夢見ていた

悪い土地ではなかったが山に囲まれていて

その向こうには

きっと素晴らしいところがあるのだろうと思っていた

 

東京に出て、大学に通って

たくさんの人と出会って

たくさんの人を見て

それでも可能性がどんどん実現するという

ふうでもなかった

くらいついてでもかなえたい希望があったわけでもなかった

 

浜松の地で社会人になって

それなりに力を出してきた

明確な夢というほど

具体的なものはなかったけど

おもしろいこともいっぱいあった

 

東京も浜松も行く前はあこがれの地だった

住んでみるとどこも悪くはないけれど

理想でもなかった

 

故郷はよいところだと思うけれど

現実問題、年を取った人はこれから

なかなか辛くなると思う

人口減少で社会が維持できなるという懸念がある

ある政治家が共同体の集約が必要だと意見していた

地方切り捨てかと反発の声もあったが

その人たちも、年々低下する公共サービス

少しずつ不便になっていく社会生活に

気づいているはずだ

 

あこがれの地はいってみると

どこにもなかったともいえるけど

すべてがあこがれの地だったともいえる

 

浜松は素晴らしいところだと思う

気候は暖かいし、住人はさっぱりとした気性だし

いつまで健康かもわからない

 

関西に住むという選択肢もある

私も妻もきょうだいが住んでいる

気持ちの中では京都の学園都市か

大阪の高槻市あたりが

あこがれの土地の一つにはなってる

 

こころのなかのその土地は

とても素敵なところだ