日本橋の会所の管理人、又兵衛とおいせが
近所の家族の幸せを願い、日々奮闘する
江戸を舞台にした人情時代小説
どんな平凡に見える家族でも
とても波乱に満ちているというのは
いつの時代も変わらない
時代小説というけれど
実は描いているのは
いまでは社会の一面にしかなっていないけれど
まぎれもなく日本の源流なのだろう
極悪人は一人も出てこないけれど
だれもが弱さを持っている社会
主人公の夫婦は当時なら余生と呼んでよいような年齢だが
あたりまえのように
まわりの家族の安寧を願う
そして二人にも訳ありの過去があり
それでも最後は幸せが待つ
今の日本の社会も
根底では実はこうなのだと思う