時々思い出すことばがある

 

羽生善治さん

タイトル99期の将棋界のレジェンド。

 

いつだったか記者会見で

「現在の藤井聡太8冠と全盛期の羽生7冠ではどちらが強いのでしょうか?」

との質問が飛んだ

羽生さんはにこやかな表情で即答したという

 

圧倒的に現在の藤井さんの方が強い

 

羽生さんは言葉を巧む人ではない

この言葉は決して謙遜で言っているのではない

王将戦を藤井さんと戦った直後であり

藤井さんは本当に当時の羽生さんより強いのだろう

 

ところがしばらくして別のことに気が付いた

「当時の羽生7冠」ではなくて

今の羽生九段はどれくらい強いのだろうか

 

羽生さん自身は

今の自分の方が当時の7冠の自分よりも強い

と思っているはず

 

それは歳月の経過による将棋全体の進歩

という点にもあるし

もっとべつの自分のスタイルの変化などもあるだろう

 

羽生さんはまだまだ強くなるつもりだ

そして藤井8冠を凌ぐことをひたすら

求めているのだと思う

「いまの羽生さんと7冠当時の羽生さんとではどちらが強いのでしょうか?」

ともし誰かが尋ねたとすると

 

もちろん今の自分の方が強いでしょう

棋士とはそういうものですから

 

とにこやかに即答するだろう