似非短歌的日常十月 高低差 こそ一切の 情景に 中秋の色 帯びる集落 溝の花 棚田の稲架や 色褪せた 屑箱にすら 日々の顕れ 何故か ふと 記憶の戻る 吊り橋の 秋風に揺れ 軋む足場に これもまた 金木犀の 悪戯か やや報われた 心地になって