長男ハジメの修学旅行の先は東京だった。一昨日帰宅し、顔には出さないが それなりに楽しんで来たのが伝わってきたので何よりだ。

 

俺もまた地方の人間であることに違いはないというのに、何故か これまでの人生で東京への憧れを抱いたことが一度もない。いや興味すらない、どちらかというと あのような騒がしいイメージのある都市とは関わり合いを持ちたくないほどだ。かといって関西人にありがちな対抗心みたいなものを東京に持っているというわけでもない。やはり根本的に俺という男には好奇心だとか向上心だとか、洗練された都市で自分の力を試してみたいなどという意欲が欠落しているのだろう。東京に拘わらず 自分の生活圏以外の土地(海外も含め)に興味を持ったことが皆無なのだ。地方に燻って一生を終えてしまう器の小さな男の典型なのかもしれない。ちょっと情けない気もするが、そうなのだから仕方がない。

 

しかしそんな俺が近頃、紀州という土地に関してなら比較的 フットワークも軽く動き回りたがる事は不思議といえば不思議だ。これ何やろうね?うまく言えないが、俺の紀州への探究心とは、外へ外へと向かって放たれているものではなく、ひたすら内側にある何かを探りつづけているという類のもののような気がする。

 

それにしても白浜空港から東京まで飛行機なら僅か4、50分で着くんだってな。上京といえば、薄っぺらのボストンバック北へ北へと向かうものだと思い込んでいる俺は古いのか?