面白い文化を持つ韓国

年末はクリスマス、年賀状、仕事納め、忘年会などで忙しくなりますが

これに加えて韓国では珍しい文化があります。

 

12月になると全国的にキムチを漬ける行事が行われます。これは韓国の伝統的な風習である「キムジャン」行事です。ニュースでは、キムチの材料の値段を例年と比較して物価相場が報道されたりと、キムチは韓国人にとってとても重要なものだと言えます。時代が変わり、最近ではキムチを作らない家庭も増えていますが、今もなおアナログな方法でキムチを作り、これを留学中の息子や結婚した娘に送ったり、近所の友人と分け合い、各家庭のキムチの味を楽しみながら冬を過ごします。

 

昔、農耕時代には食品を長期間保存できるようにキムチを作りましたが、この伝統は今日まで続いています。キムチを漬ける時期は地域によって異なり、11月末(寒い地方ソウル近郊)から12月中旬(暖かい南部地方)に行われます。この時期には各地で白菜を積んでいる風景やキムチの材料を買いに出かける主婦の姿を見ることができます。

キムチの季節になると主婦同士が「キムチを漬けましたか?」と挨拶します。 また、キムチの時期には、スケジュールを調整したり、集まりを変更することがよくあります。キムジャンに参加することを、誰もが理解し尊重してくれます。

ある家庭では、家族同士で日程を決めて一緒にキムチを漬けた後に分け合ったり、実家のお母さんがたくさん漬けたものを他の地方や外国にいる家族に送ることもあります。

 

キムジャンの量は、多い家では白菜20株から100株(約400枚)ほどです。そのため、キムチ冷蔵庫はほとんどの家庭で必需品です。温度は家庭によって異なり、上手に保存すれば6カ月から1年、長いと2年後まで食べることができます。

 

長く保存しているとキムチは発酵して酸っぱくなり始めますが、韓国人はそうなってこそ料理に使えるキムチになったと考えます。キムチチゲ、キムチジョン、豆腐キムチ、キムチチャーハン、キムチクッパなど、キムチを活用した様々な料理を楽しみます。酸味が強くなるのを待って食べる人も多いです。


最近、キムチはK-foodとして大きな人気を集めています。国際大会に出場するスポーツ選手が海外に強化合宿に行く時に必ず持っていく食べ物の一つでもあります。キムチは精神を安定させたり、発酵食品としてエネルギーを供給してくれるので、食べると力が湧いてくるそうです。

寺院では塩辛の代わりに昆布、梨、大根などを活用してキムチを作ることもあります。家庭や地域ごとに使われる材料が少しずつ違うので、様々なキムチの味を楽しむことができます。

 

釜山のキジャンでは「いりこ祭り」が開かれるほど、いりこがたくさん獲れます。古くは4月になると「メルチサイソ」といって商人が町中を売り歩いていました。釜山出身の私はいりこの塩辛をメインにキムチを漬けます。

 

私も今年はキムチを作って、コロナで会えなかったアメリカの家族や日本の友達に感謝の気持ちを込めて送りました。

我が家では毎年キムチを作るのですが、材料は全て国産で、レシピは以下の通りです。
 

 

レシピ

<材料>

 

白菜 - 全羅南道海南白菜または江原道高冷地白菜を使用
塩 - 全羅南道新安天然塩
唐辛子 - 慶尚北道の栄養唐辛子と赤唐辛子
太刀魚の塩辛、いりこのエキス、もち米、生姜、ニンニク
白菜の間に入れる材料 - カキ、海藻類、大根の千切り、梨の千切り、せり


<白菜を漬ける作業>

- 白菜1株を4等分します。

 

- 塩に6~8時間漬け込みます。
 

- その後、冷水で洗って一晩水気を切ります。

 

材料が準備できたら、水気を切った白菜に調味料を塗る担当、トッピング材料を挟む担当、完成したキムチを運ぶ担当に分かれて、それぞれ協力してキムチを作ります。

 


キムチを食べる時期や地域によって、カキや小アジ、明太子などを入れることもあります。長期間保存するキムチには魚やカキなどは入れません。

 

作業が終わったら、豚肉を煮込んだ「スユク」と一緒に食べるなど、パーティーを楽しむこともあります。

 

<キムチの保存方法>

キムチは発酵食品なので、涼しい場所に保管する必要があります。時間が経つと自然の酸味が生まれます。



キムチを保存する時は空気との接触を最小限に抑える必要があります。キムチの液にキムチが浸かるようにラップでしっかり押さえた後、容器の蓋を閉めて保存します。これによって、キムチが新鮮に保たれ、冷蔵庫や涼しい場所に保存する場合、味と香りが長く持続します。