ソウルが核の炎に包まれる可能性 | (旧)日本が好きなだけなんだよ

ソウルが核の炎に包まれる可能性

北朝鮮の核実験に始まった緊迫した朝鮮半島の情勢は、国際連合によって14日にでも可決されるであろう制裁決議案によって、急展開をする可能性がある。なぜならば、北朝鮮は今年の夏に襲った台風被害により、穀物の収穫高が激減したため、食料不足で今年の冬を越すことが出来ず、その状況下で国連制裁を受ければ、ほとんど致命傷になる可能性が高いからである。北朝鮮の軍人への食料配給も確実に減っていると言われており、このまま兵士が飢え死にするような状況にでもなれば、内乱が起きるのは必至である。そのため、金正日は軍隊が飢える前に強引に戦いを仕掛けてくる可能性が高いと思われる。


交戦相手は日本ではなく、お隣の韓国。日本に戦いを挑むといっても、核ミサイルによる恫喝以外、有効な手段はなく、日本は表面上は米国の核の傘に守られているので、実際に核を撃ちこむことは自殺行為に等しい。もし日本に核を撃てば、アメリカは必ず報復の核を発射する。なぜならば、アメリカは絶対に日本に核武装をさせたくないからだ。アメリカが報復の核を撃たなければ、日本は必ず自衛上、核武装を行うし、アメリカや国際世論も日本の核武装に対して批判する論拠を失ってしまう。このことは金正日もよく分かっているはずである。それに、北朝鮮に海を越えて日本を侵略する能力がない以上(在日工作員は沢山いるが)、貴重な核弾頭やミサイルを日本に使ったところで、得られる戦略上のメリットはほとんど無いのである。


とすれば、起死回生の手段として考えられるのが、韓国への核の使用。北朝鮮軍が使用している兵器類は未だに、朝鮮戦争当時のものが主力であり、軍用機にしろ戦車にしろ、時代遅れのものしかなく、しかも燃料も十分ではない状況下では、韓国軍とまともに戦っても勝算は非常に乏しいと言わざるを得ない。唯一勝機があるとすれば、国境線から50キロ程度しか離れていない韓国の首都ソウルに奇襲を掛けることしかないだろう。50キロという距離は、北朝鮮側から長距離砲で砲撃が出来る距離であり、軍事的にはないに等しい距離である。もちろん単なる砲撃より、核弾頭をソウル市内で爆発させた方が効果がはるかに高い。これをやられたら、韓国軍は組織的な反撃は出来なくなり、北朝鮮軍の圧倒的な歩兵の前になす術もなく敗れるのでないだろうか。ミサイルで核を撃ちこむ場合でも、日本やアメリカに向けて撃つより、ソウルに向けて撃つ方が成功率が格段に高くなるし、韓国は絶対に防げない。また、他の手段を使ってソウル市内に核弾頭を持ち込むと想定した場合でも、成功の確率は非常に高いと思われる。


核による奇襲によってソウルが火の海になったところで、北朝鮮軍が38度線を越えて韓国に怒涛のごとく雪崩込み、一気に席巻する。そうなれば、在韓米軍や生き残った韓国軍も反撃を行うだろうが、奇襲が功を奏して、韓国の大部分が北朝鮮軍の手に落ちることは避けられないと思われる。頼み綱のアメリカ軍も、イラクでの情勢もあり、本格的に朝鮮半島に兵士を送り込むかどうかは非常に疑問だ。もちろん、日本は憲法上の問題があって、全く手は出せない。金正日としては、有利な条件での講和と朝鮮半島統一のアドバンテージを握ることが戦略目標になると思われるが、中国軍の介入が無ければ非常に実現性が高いプランには間違いない。


しかし、国連軍として中国に背後を襲われれば、状況は一転する。アメリカ軍と人民解放軍に挟撃されては、さすがにどの国の軍隊でも持ちこたえられない。降伏は時間の問題になるだろう。金正日は野良犬のように追い回されたあげくに、逮捕監禁され、フセインの二の舞になるのが関の山だ。良くても他国への亡命があるだけだが、一度戦端を開いてしまってからではそれも難しいかもしれない。朝鮮半島の後始末は中国が主力の国連軍が、国連の信託統治領として統治し、その後、落ち着いたところで統一政府を立ち上げると言ったところではないだろうか。


以上が私が考える朝鮮半島情勢の展開の一つのパターンである。未来の状況というのは、ある程度まで予測は出来るが、正確な予知は出来ないものだと思っているので、当たるかどうかはもちろん不明だ(笑)一つの考え方として読んでいただければ幸いだと思う。