どうも甲楽わんです。

ここでは、ノートを打ち込むという作業を中心に、CeVIOボーカルを作成する際の注意点をまとめていきたいと思います。
ボカロを使っていらっしゃる方が初めてCeVIOを使ってみると、アレなんか綺麗に歌わない、と感じるかもしれません。ちょっとCeVIO特有のクセみたいなのがあるのです。
注意点をまとめていきます。



長音
「あ」「―」と打ち込むと「あっあ」のように、上手く繋がりません。

こういう時は、下のような方法で対処できます。

①PITを使って高さを変える。



図 長音を打ち込まずに、音高を変える。黄色いラインは編集後の音高。



②「あ」の最後の音素を「―」に寄せてあげる。



図 上段 べた打ち(編集前)
図 下段 「あ」のノートの最後の音素を次の「ー」のノートにぴったり寄せている。

「あ」の一番最後の音素を次の「ー」に寄せると、つながりが滑らかになります。
図のバックに出ている青いラインはVOLですが。べた打ちでは、ノートの間にVOLの小さくなっているところがあります。しかしTMGを編集すると、それがなくなり綺麗に繋がっています。



二重母音

ボカロで簡単に出来るけど、CeVIOでは少し手間がかかるのが2重母音です。

たとえば、長いノートだと問題です。「あーぃ」と最後に「い」を付け加えた感じに歌わせたいのに「あーい」と「い」が長い感じになってしまいます。
こういう時は、TMGでタイミングを調節してあげてください。

逆に短いノートでは「い」が短く感じるかもしれません。
同様にTMGを使って長さを調節してください。



図 上段 べた打ち(編集前)。長いノートの「あい」と短いノートの「あい」
図 下段 編集済み TMGパラメータを編集して「あ」と「い」の長さを調節した


また、「あ」と「い」の間が上手く繋がりません。「あっい」というように歌います。
長音の対処法②で紹介したように、「あ」の最後の音素を「い」に寄せてしまいましょう。するとうまく繋がります。



「ん」を正しく発音させる

日本語の「ん」は、3種類の発音があります。「ん」の次にどんな子音が続くかで変化します。

【口を閉じて作る子音が続く(パ行、マ行、バ行)】
「m」    例)てんぷら「tempura」

【喉の奥を閉じて作る子音が続く(カ行、ガ行)】
「N」    例)てんかい「teNkai」

【舌を上あごに付けて作る子音が続く(タ行、ダ行、ラ行)】
「n」    例)てんない「tennai」


「ん」の次に続く発音で変わって来るんです。YAMAHAのボーカロイドの場合は、「ん」と打ち込むと次のノートに合わせて、自動で使い分けてくれます。
ですがCeVIOでは、「ん」はすべて「N」で歌います。ちょっと不自然ですね。特にマ行の前の「ん」が「N」だと明らかにおかしいです。
こういう時は、「音素で打ち込む」を使って発音を変えてあげましょう。

たとえば
(べた打ち)てんぷら「音素:t e N p u r a」
 ⇒(編集後)てmぷら「音素:t e m p u r a」

(べた打ち)てんない「音素:t e N n a i」
 ⇒(編集後)てnない「音素:t e n n a i」


こういう感じですね。



図 上段 (べた打ち)てんぷら「音素:t e N p u r a」
図 下段 (編集後)てmぷら「音素:t e m p u r a」

ただし「N」を「m」や「n」に変更した場合、TMGやピッチなどがおかしくなるので、正しく描き直してください。


基本的には「ん」は次につながる発音の種類次第で使い分けますが。
「ん」のロングトーンでは、次の発音に関係なく「N」で歌ってしまうことも良くありますので、自由に変えてもらってイイと思います。



その他、打ち込みで出来ること

ファルセットをつくる

CeVIOではファルセットボイスをつくることができます。これは素晴らしい機能です。
ONEに歌ってもらったsister’s noiseでも高音はファルセットにしてます。
作り方は歌詞に「※」を付けるだけ!めっちゃ楽です。ただし、自然なファルセットになるのは、highD以上かなと思います。
力強いヘッドボイス(通常の打ち込み)と柔らかいファルセットボイス(+※)を使い分けるとイイですね。



図 ファルセットボイス。「※」を付け加える


(メモ)音素で打ち込む
ボカロと同じように音素で打ち込むことができます。エディタ上で右クリックすると「音素で歌詞入力」という項目が出てきます。それにチェックを入れると音素入力に切り替わります。英語歌詞を歌わせるときなんかは、「s」だけや「t」だけで打ち込めるのでとても便利です。
ちなみに歌詞に「’(アポストロフィ)」を付けると母音を落脱させることができます。実質的には子音の音素のみ打ち込んだときと同じ効果です。
ただこちらの方法だと、一つのノートに複数打ち込まないと母音が落ちないようなので、注意が必要です。



歌唱表現は後々説明するとして、今回はとりあえず、つながりよく自然に歌わせるための注意点を中心に紹介しました。