【解説】和也が千鶴の夢を諦めなかった理由 | 恋心、お借りします

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【解説】和也が千鶴の夢を諦めなかった理由

 

はいどーも!かのかり楽しんでますか?自称日本一の和也推しの甲楽わんです。今日は、初めて和也について話そうと思います。

 

アニメ2期も最終回を迎え、千鶴の夢を叶えるためにクラファンを提案する和也を見て、彼の「成長」や「変化」を感じる視聴者も多かったのではないでしょうか。その後、小百合さんを亡くした千鶴を励まそうと奔走する和也の姿に感動を覚えない読者はいなかったでしょう。

 

始めは麻美ちゃんへの未練のあまりウジウジとダサい姿見せていた和也が、今は千鶴の夢のために映画を作るまでに変わった。やっと主人公らしくなった。めちゃめちゃカッコいい。その変貌ぶりに、かのかりは木ノ下和也の「成長」を描く物語だと言う人もいます。

 

しかし、待った!待ってください!

 

では、あなたは和也が千鶴と出会って何が変わったのか説明できますか?具体的にどこが「成長」したのかを説明できますか。

 

経験や訓練を通して、何かできることが増えたり、考え方が変わったり、自分に自信がついたり、目標を見つけたり、それを人は「成長」と呼びます。例えば、墨ちゃんは人見知りを克服するためにレンタル彼女を始め、最初は緊張して挨拶すらできなかったのですが、和也や千鶴に励まされ、笑顔を作ったり手を繋いだり少しずつ「彼女」らしいことができるようになります。例えば、ドラゴンボールでは、強い敵が現れるたびに、それに立ち向かったり修行をしたり戦い方を工夫したりして強くなっていきます。これが「成長」です。

 

和也のどこが「成長」したのかを答えられる人はいないでしょう。なぜなら、和也は成長しているわけではないからです。

 

水原千鶴を初めてレンタルしたあの日から、和也は「成長」しているわけではありません。励ましデートの後も、好きな人に嫌われたと思えばめちゃめちゃ落ち込むし、自分には自信がないし、言いたいことは言えません。レンタル彼女と客の関係を通して、何か特別な能力を手に入れたわけでもありません。木ノ下和也というキャラクター自体は変わっていないのです。

 

では、千鶴と出会って何が変わったのか。今日はそれについて話していこうと思います。それが、和也が千鶴のために映画まで作れた本当の理由です。

 

 

 

 

  和也が千鶴の夢を諦めなかった理由

 

和也が千鶴のために映画まで作れた理由。その答えはシンプル。水原千鶴のことが好きになったからです。

 

 

◆すまんっ もう一回だけレンタルさせてくれ 2話

 

レンタル彼女の千鶴を本物の彼女だと家族に紹介してしまった和也は、半ば脅迫までしてもう一度彼女をやって欲しいとお願いします。千鶴からすれば大迷惑。一見自己中心的で、嘘を改められないクズに見えてしまいます。後に、誰かのために映画まで作ってしまう人物には見えないでしょう。

 

しかし、これを見て和也を身勝手だと言うならそれは彼の本質を分かっていません。このときから和也はすごく優しい人です。ただ、彼が与えられる優しさには限界があり、優しさを向ける対象が千鶴ではなく家族にあるだけなんです。

 

 

◆神様の夢なんだと…死ぬまでに 俺にいい人ができるのが… 1話

 

神様の夢なんだと…死ぬまでに 俺にいい人ができるのが…

 

和也が千鶴と出会ったばかりのころ、彼にとって千鶴はただのレンタル彼女、赤の他人です。大切な存在ではありません。一方、家族はとても大切なものです。特に大切なのが和おばあさん。小さなころから和也の面倒を見て、お店まで仕切ってきた。いつか孫に素敵な彼女ができることが和おばあさんの夢で、おばあさんが喜ぶ姿が見たくて思わず嘘をついてしまった。あれだけ千鶴に頭を下げてお願いできしてしまうのは、嘘を明かして和おばあさんがっかりする姿を見たくないからです。

 

確かに、いつまでも嘘をつき続けることや、千鶴を脅迫することは間違っています。それは和也自身も分かっています(だから毎回千鶴に謝って感謝を伝えている)。それでも、彼がそこまでしてしまう動機は、大切な人たちに対する「やさしさ」以外の何物でもありません。

 

レンタル彼女と客という関係を通して、和也は少しずつ水原千鶴を知っていきます。クズで情けない自分を見放さず、誰よりも家族や自分の気持ちを第一に考えてくれる水原千鶴に惹かれていくんです。

 

 

◆千鶴を救うために海に飛び込む和也 14話

 

和也は千鶴が海で溺れたと知ると、和也はこれまでと真逆の行動に出ます。大好きな麻美ちゃんとの約束さえ無視して、海に飛び込むのです。出会った当初千鶴にたくさん迷惑をかけてしまっていた和也が、千鶴のためにそこまで出来てしまうのは、シンプルにこのときにはもう千鶴が大切な存在になっていたからです(15話)。

 

 

 

◆恋の自覚 16話

 

翌日、和也はこの気持ちが「恋」であることに気づきます(16話)。

 

 

◆君がいいっ 君がっ! 49話

 

その後、和也と向き合うよう千鶴が麻美を説得している姿を見たり(49-50話)、千鶴が舞台で輝いている姿を見て感動したり(51-52話)、スクリーンに立っている姿を小百合さんに見せたいという夢を持っていると知ったり(61話)、優しくて、女優の夢に向かっていく千鶴の姿にますます惹かれていきます。

 

いつのまにか和也とって千鶴は、すごく才能があって、夢に向かって毎日努力していて、そんな姿が眩しくてかっこよくて、ダメな自分をちゃんと叱ってくれて、自分や家族のことを第一に考えてくれる最高の「彼女」になっていきます。

 

 

◆なのに…そんな時に…俺には何もできることが無くて… 98話

 

小百合おばあさんの余命がわずかだと分かったとき、和也は最愛の家族を失い独りぼっちになってしまう千鶴を心配します(98話)。何とかして夢を叶えてあげたいと、その方法を探し回ります。これだけ悩み苦しむのは、木ノ下和也の性格が変わったからでも、何か成長したからでもありません。単純に水原千鶴が大好きで、あれだけ努力してきたのに夢が叶わず千鶴が悲しんでしまう姿なんて見たくないからです。

 

もともと和也は、馬鹿みたいに夢や憧れを信じられる人で(13話by木部)、大切な物を守るために一生懸命になれる人として描かれています。1話から何一つ変わっていません。変わったのは、和也にとって水原千鶴が大切な存在になったという点だけです。情けないところや自分に自信がないところもあるけれど、もともと木ノ下和也は優しくて真っすぐで、素敵な人物なんですね。

 

 

 

という感じで、和也の解説をしてみました。まぁ、和也推しの僕は、どうしても彼の素敵な部分ばかり見てしまい、悪い部分は気にならなくなってしまっていると思うので、その点はご容赦ください。

 

「成長」の物語と言ったら聞こえはいいのですが、あえてそれを否定し、こんな記事を書いたのは、そんな簡単な言葉一つで和也のドラマを片付けて欲しくなかったからです。「彼女、お借りします」は、千鶴と出会った和也が「成長」するドラマではありません。和也が本気の恋をして、その女の子のために一生懸命頑張って、最後には幸せを掴むドラマです。千鶴への恋心が膨らんでいく様子や、千鶴を大切に思う気持ち、告白を決意するまでの心のドラマに、ちゃんと気づいて欲しいんです。

 

では、また次の記事で!