『シャイロックの子供たち』池井戸潤
2008年11月10日 第1刷発行
2013年7月25日第17刷発行
株式会社文藝春秋
池井戸シリーズ。
書評等で「シャイロック~」と「鉄骨」を境に池井戸氏が一皮剥けた的な書かれ方をすることが多いが、実際に本作「シャイロック~」は素晴らしい。
一番感動したのは、その手法。このような手法での描き方は見たことがない。それは、それぞれ主人公の異なる短編物語を通じてひとつのミステリーを構成している点だ。短編ひとつでも十分に読みごたえがある。短編ひとつの内容的には「不祥事」的な要素が強いが、「不祥事」と違うのは、主人公が毎回異なり、それぞれの登場人物の背景がしっかりと描かれていることで、小説感が強くなっていることだ。
その短編が十個も集まって、ひとつのミステリーとなっているのだから、面白い。