『ロスジェネの逆襲』
池井戸潤
ダイヤモンド社
2012年6月28日第1刷発行
2012年7月20日第3刷発行
またまた、池井戸潤の半沢シリーズ。
『ロスジェネ~』は、半沢シリーズを読み始める前から読んでみたいと思っていた。
ちょうど、私が「ロスジェネ」世代であることから、興味を持っていた。
実際には、半沢シリーズを順番に読んできてよかったという感想。
やっぱりシリーズものだけあって、ストーリーが繋がっているし、
登場人物の性格把握等も含めて順番に読んでいくのがおすすめ。
今回は、前回の「やり過ぎ」によって、子会社に出向させられた半沢直樹の
証券子会社での物語。ITベンチャー企業を巡る物語。ベンチャー企業家の企業家魂と
逆に企業家ゆえのプライド、それに絡んだM&Aという手法。池井戸作らしく、金融業界の
裏ワザ的な手法も出てくる。「裏ワザ」的な非人道的な手法に対して、半沢が「倍返し」で
やり返す痛快な物語。
一方で、タイトルの主題である「ロスジェネ」と「バブル世代」にという半沢シリーズに
毎回出てくる世代間の比較も見逃せない。
個人的には、(自分もそうであるが)「ロスジェネ」世代に対する見解は池井戸氏とは
異なる。池井戸氏の描写では、「ロス(損)」を押し付けられた世代であることから、
積極性が薄く、盲目的に組織に従うことが楽であると考えている世代というイメージで
描写されているが、個人的な感覚では異なる。少なくとも、私の周りの人間は、
「仕事をしない」団塊世代&バブル世代の一部に対する反感から、むしろ積極的に
自ら考え、動く、創造的な人間が多い。その理由として考えられるのは、就職氷河期
であったことから、まっとうな就職率が低く、まっとうな職を得られた人間は優秀な
エリートである確率が高いことからだと思う。個人の能力的には「ロスジェネ」世代が
一番高いのではないだろうか?その能力を発揮させる「場」と「モチベーション」の
提供が大事だと思う。「逆襲」というよりは「飛躍」となるように頑張って生きたい。