日が沈むと 風が冷たくて 身体がブルブルと震えそうだった。
でも 震えると ケンちゃんが心配しちゃうから 身体に力を入れて なるべく震えないように頑張った。
日が落ちて 外が真っ暗になったころ しゅうちゃんが帰ってきた。
あぁ… しゅうちゃん… ごめんなさい。
あんまり 怒らないで…。
ちゃんと反省してるから…!
しゅうちゃんは ベランダにいる私たちを見ると アキくんと何かを話しながら 窓際までやって来て ガラッと窓を開けた。
「オマエ なにやってんだ?」
私に手を伸ばして まだ乾いていない髪をそっとなでた。
「はな?オマエ 濡れてんの?どうした?」
「水 かぶったから… 」
「なんで?」
「頭を… 冷やすために… 」
「頭が冷える前に 身体が冷えてるんじゃないのか?」
しゅうちゃんは クスクス笑った。
「ちゃんと頭も冷えたもん。」
「そっか。じゃあ 風邪引く前に中に入れ。」
しゅうちゃんが 笑った。
え… でも… ハル鬼様のお許しがないと…
私が迷っていたら しゅうちゃんは 振り返って
「あとは オレがやる。」
と ハルに言ってから
「中に入れ。」
と もう一度私に言った。
しゅうちゃん… これは… 怒ってるよね…
笑顔だけど… 怒ってる…
しゅうちゃんにニッコリされて 私はゆっくり立ち上がった。怖い…。
汚れた靴下を脱いでから 部屋に入ると しゅうちゃんは 窓をガラガラと閉めて 鍵を閉めて カーテンも閉めた。
え? しゅうちゃん?待って。
ケンちゃんは?
ケンちゃんも ベランダにいるんですけど…?
そういえば しゅうちゃんは 一度もケンちゃんの方を見なかった。完全無視だ。
これは… しゅうちゃんも ハルに負けないくらい 怒ってるな…。
「今日は柊二も 怒ると思うよ。また ビンタたくさんされちゃうだろうけど… はなちゃんが悪いんだから、頑張るしかないね。」
さっき アキくんに言われたセリフが 頭の中でグルグル回っていた。
たくさんビンタされる…