成体ラットの精巣ではSlc15a1が合成されたF5タンパク質の精巣上皮への輸送に関与する | kopperi777のブログ

kopperi777のブログ

ブログの説明を入力します。

 スパーミエイション(精子が精巣から輸精管へと成熟しながら移動していく現象)と血液精巣関門(BTB)再構築は、精巣で精子が形成されながら精巣上皮の通過を起こすときの二大イベントです。このイベントは、ラミニン鎖からリリースされる活性化ペプチドによってタイトに制御されています。著者らは今までの報告で、F5ペプチド、これは基本的にはラミニンγ3ドメインIVを含む50残基のペプチドからの合成物で、精子形成をBTB貫入の段階で可逆的に障害することができることを示しました。そして、それは生殖細胞欠損と男性避妊を見込めます。しかしながら、どのようにF5ペプチドが精巣内に到達し、BTBを通って曲精細管で機能を発揮するのか、現時点で分かっていませんでした。そこで今回著者らは、Pept1として知られているソリュートキャリアプロテイン(Slc15a1)が優位に管周囲の筋様細胞、ライディッヒ細胞、血管内皮細胞、生殖細胞に発現していることを突き止めました。これに対してセルトリ細胞とBTB領域には発現は見られませんでした。成体ラットの精巣での定常状態のSlc15a1のタンパクレベルはF5ペプチド処理による影響を受けませんでした。そして、Slc15a1のノックダウンは、F5ペプチドの避妊作用を妨げることが示されました。この研究からSlc15a1は、合成されたF5ペプチドの精巣上皮への輸送に関与していることが示されました。このようにSlc15a1を遺伝子レベルで修飾できれば、F5ペプチドによる男性避妊薬の活性を向上させる新たな標的の1つになります。(Scientific reports 5, article number:16271(2015))
 様々な組織-血液関門の基底膜をお勉強したくて、ラミニンを調べていたら、このような論文に出くわしたので、今日の1報に選びました。精子って、分化しながらBTBを渡るんですね。少子化な時代に避妊薬の開発に関する論文をフィーチャーしても、見る人少なそうと読みながら思いつつも、natureのScientific reportsでopenだったので、許して下さい。他の臓器での組織形成においても幹細胞が組織-血液関門を渡りながら分化再構築される例というのは、よく見られる現象なのでしょうか?精巣だけなのでしょうか?と考えながら、読んでしました。皆さんはどう思いますか?ではまた。