雪女アイスランド紀行15『あ、こうやって死んじゃうのかな。』 | 徒然コオロギ庵~旅する似顔絵師~

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一年の半分を旅に過ごす似顔絵師コオロギの日々の雑記。趣味の古墳巡り&地質巡り&車中泊アレコレetc徒然とだらだらと書き尽くします

アイスランドスーパージープツアー。


スノーモービルで雪原を走る!



簡単な乗り方の説明を受けて、


はい!出発!


10台くらいのスノーモビル。


一人だけ経験者がいて、あとはみんなスノーモービル初心者。



簡単な説明、といっても、


1台のスノーモービルの周りにみんなが集まって、


『このレバーを押すと進みます。ブレーキはこれね。』


くらいの説明。



『最初はゆっくり走って、だんだんスピードを出しましょう。では出発。』


以上。



着替えた倉庫の周辺を思い思いに走るのではなく、


ガイドさんを先頭に10台くらいが連なって、30分ほどどこかに向けて走るらしい。



10数台のうち、後ろから3番目の我々のスノーモービル。



ドドドドドド。


エンジンをかけてレバーを押して前のスノーモービルに続いて恐る恐る走り出す。



『重い。。!(´Д`;)』


レバーが思いのほか重いらしい。



どどどどど、、どど、、どどどどど


ゆっくりゆっくり進む。



どどどど、、どどど、、どどどどっど


『重い。。』



レバーが重くなかなかスピードが出ない。



いきなり上り坂。


どどどど、、、、どど、、、どどどど




前のスノーボービルとの間がだんだん開いていく。



どどどどっどどどどどっど


上り坂、下り坂。



360度真っ白な雪原。



雪だけ。


何の目印もない。




思いのほか他のスノーモービルは早い段階でスピードをあげている。


どどどどど。。



上り坂、下り坂、



上り坂、



!!!!!!(((( ;°Д°))))


あれ!?誰もいない!!!



前を走っているはずのスノーボービルの姿が見えない!



??


残るは轍のみ。



徒然コオロギ庵

轍を頼りに走る。


下り坂、上り坂。



遠くにスノーモービル数台が見えた!



上り坂、下り坂、、


そして、


ストーム!?



徒然コオロギ庵

風に巻き上げられた雪で前が見えなくなってきた!



視界が悪い。。



轍も見えにくくなってきた!



どどどどどどどどどどどどど


このまま雪が舞って、、



轍が消えたら、、



消えたら、、



( ̄ー ̄;


これは、



遭難っていう、、の?




そんな不安が頭をよぎる!



『あ、人はこうやって死ぬんだろうな』



そんな自分の死をほのかに感じる。




う~~ん。


それもありかな。


大好きな真っ白な世界で朽ち果てるのも、ありかな。



ネガティブなのかポジティブなのか。



すべては友達のハンドリングと天任せ!


すべてをゆだねよう!


アイスランドの神様にゆだねよう!




そんなことを想いつつも、



がんばれ!落ち着いて!きっと追いつけるから!


と祈るような気持ちで心の中で友達を応援する。



友達は必至で運転してくれてるもんね!



もう、友達を信じるしかない!



これまでも友達と世界中あちこち旅をして、


友達のハンドリングを信じて旅を切り抜けてきたもんなー!



アリゾナのハイウェイ、アラスカのカヌー。



もう、ここまできたら生きていることに感謝だな。


友達のおかげで命があるもの。



感謝。


生きていることに感謝。



なんかちょっと悟りの境地っぽくなってきた。


死を間近に感じるとそうなっちゃうのかな。



っていうか、


うちらの後ろにまだ2台いる。



彼らも不安だろうなぁ。



6人いればなんとかなるかな。


生き延びられるかな。




なんて思っていると、



前の方を走っていたガイドさんがやってきた!


我々がついてきていないのがわかって心配して来てくれたようだ。



『スピードを出した方がレバーは軽くなるよ。』


そうアドバイスしてくれた。



アドバイスしてくれたけども、それでスイスイ走れるようなら最初っから走れてるだろうさ。。



ガイドさんは前を走るスノーモービルと我々の間を行ったり来たりしながら走ってくれた。



ありがたい。


ガイドさんからしても、遭難者を出したくないだろうしね。



そんなこんなで目的地らしきところに到着!




徒然コオロギ庵

徒然コオロギ庵


絶景!


さっきまでのストームも嘘のように晴れた!



写真じゃ伝わらないね。



360度真っ白。



空と雪と氷だけの世界。



酸素と二酸化炭素と窒素と水だけ!


他にもいろいろあるだろうけど、


簡単な元素記号で表せそうな単純な世界。



真っ白。



さっきの悟りの境地の続きなのか、


心がとても穏やか。



真っ白な世界に浄化されていく。



寒さも、、、あまり感じない。



幸せ。


そう、幸せ。


これ以上の幸せって?



天国って、意外とこんなのかも。



徒然コオロギ庵

って寝てみる。



こんな風に癒されている私の横で友達はヘトヘト。


本当にありがとう!


本当にお疲れ様!


ありがとう!お疲れ様!


何度言っても足りないくらい、感謝!



こんな極限の境地を体験できるなんてなかなかないな。


本当にありがとう。




休憩もつかの間、


再び列になって、



徒然コオロギ庵

復路出発!



徒然コオロギ庵

帰りはなんとか前の列から離されずに戻れましたとさ。


つづく。