多神世界 第七話 大いなる脅威
青く綺麗に澄み切った空
その空の下 ここ火の里は……………荒れていた
交戦を続ける王族軍と革命軍は共に限界がきていた
兵士の数は圧倒的に革命軍が勝っているのだが疲労困憊
逆に王族軍は数こそ少ないものの妖族
勝負の終わりはまだまだ先のようだ………
明らかに実力では負けている革命軍
しかし彼等も馬鹿ではない。
長剣のような妖族の爪が振り下ろされ一人の人間が弾きながらも倒れ込む。
すかさず妖族がとどめに入るが、倒された人間は驚くほど冷静だった。
腰につけていた瓶を取り外し迫り来る相手に向かっておもいっきり投げつけた。
飛び散る硝子片と共に、黄色のような黄土色のような何やらヌルヌルした液体が妖族を包む。
突然の奇襲に驚いた妖族だったが、逆に行動を止めるどころか怒りをかってしまい再び眼光が人間を捕らえた。
しかし人間はひるまない。
ポケットから長方形の片手に収まるくらい小さい物を取り出し、キャップみたいな物を外した。
中にある小さいホイールみたいな物を親指で弾くように擦ると、なんとその長方形の物体から火があがったのだ。
再び振り下ろされる爪。人間は落ち着いて、その火を投げつけた。
激しく燃え上がる妖族。どうやら先程の液体は強い可燃性のものらしい。
この世のものとは思えないほどの奇声。おもわず人間は耳を塞いだ。
激戦を横目に城の前ではひそかに別動隊によってもう一つの作戦が始まっていた。
「組合番号03251番、ヒート・グラウクスン、これより正門突破を開始します」
何故無茶な正面突破なんかに別動体が臨むのかというと、彼等には強みがあったからだ、密約という強みが。
「こちら指令部、了解。すでに皇子から門番撤収完了は伝えられている。城門はもぬけの殻だ、突撃せよ。」
グラウクスンの掛け声と共に百人あまりの別動体が一気に突進する。
確かに城門には誰もいなかった…人間は…。
一人また一人と城門へ足を踏み入れる兵士。全ての兵士が場内に進入した、まさにその瞬間だった。
兵士達の前方を塞ぐように無数の妖族が現れた。
あまりの突然の出来事に一人また一人と後退りを始める。
最後尾の兵士が城門に片足をかけた、その瞬間彼は絶望した。
生暖かさが…人間とは違う生暖かさが後ろを囲っていた。
彼等との音信は「罠だ!」という絶望感で一杯の言葉と断末魔の声を最後に…途切れた。
指令部は混乱していた。皇子の裏切りだと言い出すものもいれば、もう無理だと諦め始めるものもいる。
もはや革命の意志を持っているのは、カナロ達とフェンリルだけだった。
「いくしかない…か」
マクネルには見えていた、このままでは負けるという事実。
残された手は大将を倒すこと、ただそれだけだった。
もちろん別動隊の役目もそれだった、そしてマクネルのこの言葉が本陣出撃を決定づけることになる。
革命軍の頭領フェンリルがカナロ率いる旅人部隊と共に先陣を切る
フルートの屈強な体を盾にして後ろからの攻撃を防ぎ前は残りのカナロをはじめ四名で戦うフェンリルの力は素晴らしかった。
予想していた五神の力こそないにしろ金の刺が付いたグローブから繰り出される格闘技の数々は妖族に引けをとらなかった。
また、リンも左手に持つ杖から水の神レインの力を借りて戦っていた。さすがの妖族といえどこのメンバーは厳しいようだ。
「見えた、城門だ!」
先頭を走るフェンリルがフロートまで届くように叫んだ。
あたりに緊張が走る。
そこは別動隊と音信が途絶えた場所だからだ。
フェンリルが城門前で制止を告げる。
緊張-----二文字では表現できない感情がまじっていた。
カナロが一歩、また一歩と歩きだし、フェンリルの横まで来ると自分が見てくる、とだけ伝え再び歩きだした。
守護霊に包まれた彼は土の里を出た時より遥かにたくましく見えた。
双剣樹李を構え慎重に進んでいく。
刀身は決して長くはない。
遠距離攻撃がきたときは弾けばいいが中距離は厳しい、そんなことを意識しながら一歩、また一歩。
肘から指の先くらいまでの刀身、対する妖族は姿・形は様々なのだが…体全身が武器
のようなもの、そう…明らかに負けていた。
城門を抜けると中庭が目の前に広がった。
緑の芝が綺麗に揃っていて中央には噴水、王の城とはこういう物なのだろうか。
右も左も城壁、逃げるための道は手前か前、すなわち城内しかない。
開けているようで、開けていない一本道、そんな一本道で危険を感じないわけがない。
中央の噴水まで足を運ぶと周囲を見渡す。危険な感じはするものの、特に監視しているものもいなく、また攻撃してくる様子も無い。
とりあえず、後ろで隠れているフェンリル達に進軍の合図をだす。
フェンリルがまず噴水まで走った。
一歩、二歩、三歩・・・・たどり着いた。
マクネル、リン、そして最後にフロートも後に続く。
誰もが不気味に思った。
おかしい、誰もいなさ過ぎる。
仮に別動隊がここでやられたとしていたら…考えたくは無いが残骸があるはず。しかしそれすらないのだ。
それでも確実にその瞬間はきていた、「噴水だ!!」という声とともに、周囲一体の地面が盛り上がる、囲まれた…数は30といったところ。噴水の中にはその30にやられた別動隊がいた。
城門側に8体、城内側にも8体、左右は7体。
対する革命軍は
城門側にフロート1人、城内側にフェンリルとリンの2人、左がカナロで右がマクネルそれぞれ1人。
圧倒的に不利な状況、一般人ならすぐに別動隊と同じ末路だっただろう。
一般人だったなら・・・。
己の筋肉を生かした斧で大きく切りつける攻撃は妖族すらしり込みをした。3匹は半分に切れ去った。
突然のことで驚きを隠せない妖族、しかし目の前の敵を葬り去るため二手に分かれて左右から攻撃を仕掛ける。
完全に正反対からの攻撃、通常ならば一方はくらうことになる回避不可能な状況、しかしフロートは全身を一回転させ左右からくる妖族を吹き飛ばすと、大回転を始めた。周囲に風がふく、芝がなびき次の瞬間妖族は8匹全て消え去っていた。
マクネルは冷静だった。
たとえ7匹が同時に襲ってこようとも、一歩たりとも動かなかった。
ただただ自分のテリトリーに入ってくるのを待っていた。
妖族の一匹が足を彼のテリトリーに踏み込む、次の瞬間その妖族は地面に足を取られた。周囲の妖族も気づくのが遅く、あっという間に妖族7匹は地面に足を取られ動けない状態となった。
「やっぱりまだまだ単純だな。」
彼はそういうと足を取られている妖族の間をすり抜けていく。嘲笑うように。
そうして城壁まで来ると、お茶目にバイバイと言って指を鳴らす。妖族が足を取られていったあたりは次々と地盤沈下を始めた。
彼の土魔法融解で足元の地層をゆるめておいたようだ。
「最後に人の役に立ててよかったな。」
フェンリルたちの戦況は最悪だ。
もともとあまり攻撃的ではないリンと、攻撃的ではあるが神の力がないフェンリル。
この2人で妖族を相手にするのは中々至難の業だった。
刀のような爪をもつ妖族の攻撃をリンはただただ水の膜を張って防いでいた。
右ストレートが妖族をとらえる、吹き飛ぶことはないが若干効いているのか、よろめく妖族。
リンもその一瞬を見逃さなかった。彼が噴水に向かって手をかざすと、不思議なことに噴水の水が球体となって彼の手の上に止まった。別動隊の無残な姿があらわになる。
彼はその水の乗った手を妖族達に向けてかざした。
その手がかざされると同時に水の球体が破裂したかのように妖族に向かって飛んでいった。
マシンガンのように次々と妖族の体を貫通していく、ぐらつく妖族。
フェンリルはその妖族達に止めをさした。
響く樹里の音。
カナロは8匹の猛攻に2本の剣と守護霊による鎧だけで耐えていた。
一匹の妖族の爪がカナロ目掛けて振り下ろされる。
その刃を右の剣ではじくと、次の瞬間懐に一歩で入り込み、二歩目で妖族の腹部を切
り裂き三歩目で切り捨てた。
あまりの速さに驚く妖族、その間を見逃さず1匹、また1匹と切り捨てていく。
樹里が鞘に納められたと同時に最後の妖族が切り捨てられた。
階段を駆け上がるとそこは王家への一本道だった
長い道には赤絨毯が引かれ左右にはグラン一族の部屋がずらっと並んでいた、その中で廊下の突き当たりにある三つの大きなドア、事前に聞いた話では左から息子、王、王妃らしいが…。
「フロート!!やれ!!」
カナロの掛け声と共にフロートのパンチがドアを打ち破る
妖族が待ち構えているであろう事を想定してフェンリルが戦闘体制で乗り込んだ。
大きな音と共に入り込んできた侵入者を無音で王の部屋は出迎えた
赤絨毯をひき壁には沢山の宝石類が飾られている目の前に広がる部屋は…深紅に染まっていた……目の前で既に息の切れかかっている独裁者の顔は恐怖に引きつっていた。
「グラングングルに間違いないよな?」
誰がいっただろうか
それは皆に同意を求める声であり決して独裁者に向けられたものではなかった…が誰も応えれなかった、そんなこともわからないくらい皆動揺していたのだ。
「父さん!!」
騒ぎが始まらないのに不審を感じたのか隣の部屋から皇子が出てきた右手に細剣を持ちどんな緊急時にも対応できるような体制だが今なら石を下から投げても取れそうにない。
カラーン…細剣が落ちたのを合図に皇子は完全に子どもに戻った悲鳴とも取れる身を裂くような泣き声
必死に父を呼ぶその声は虚しくそして哀しく部屋に響いていた
「クックックッッ貴様らが反抗勢力の頭首か」
右の隅にもたれかかるように立っていた‥恐怖が…立っていた
「残念ながら君達にかまっている暇は無い。火の里は取止めだ、次の仕事が待ってい
るんでね。」
そういってのけた恐怖は青と赤のメッシュがかかった髪と同色の瞳。鮮やかな色とは
打って変わり読み取れるのは絶望と恐怖、我々人間と変わらぬ形なのに感じるのは絶
対なる…悪。
「お…お前は……一体………」
恐怖で塞がっていた口をカナロだけがようやくひらいた。
マクネルも人間なのか?と続ける
恐怖はその言葉に顔を歪めた。色をつけるなら怒り色だ。
次の瞬間、左右の手から突然二色の炎を繰り出しカナロ達へと飛んできた。
「危ない!!」
左右へ回避する革命軍。あまりの奇襲に誰もが動揺していた。
その中皇子だけは細剣だけを握り締め、その恐怖へと立ち向かっていった。
怒りと悲しみがこめられた細剣による斬撃はあっさりと交わされて弾き飛ばされた。
「お前らなんぞに構っている暇など無いのだ。さらばだ諸君。」
そういうと恐怖を手を天井にあげた。
黒色のまがまがしいオーラ、あきらかにヤバイ。
誰もが逃げなきゃとおもっていた。
しかしまた同時に誰も動けなかった。
振り下ろされたまがまがしいオーラは全てを破壊する予感さえさせた。
フェンリルが「逃げろ!!」と叫ばなければ今頃全員死んでいたかもしれない。
全てを飲み込んでしまうような激しい音、そして光は閉ざされ、城は次々と壊れていく。
全員が非難したころには城そのものがほとんど原型を保っていなかった。
しばらく誰も動けなかった。
これでよかったのだろうか?
わからない、けれどもアイツは許せない。
恐らくあいつが影を引いていたのだろう。
怒りはこみ上げてきても、どうしても倒せる気がしない。
唖然と立ちすくむ力をなくした皇子と革命を追えたフェンリルが、ただただ立ちすくんでいた。
革命は終わりを告げた。
しかし平和はまだおとずれていない。
大いなる脅威が
その姿を見せ始めていた 。
多神世界 雑談②
いや~お待たせしました、多神世界いよいよ第7話更新ですよぉ~。
それにしてもね!
何か急展開だね!
もぅ今回は戦闘シーン多いからね
まぁ楽しめるのではないかと思います。
それでは多神世界第七話「大いなる脅威」楽しんでよんでください!
ぁ感想もヨロシク!
多神世界 外伝 優雅な二人の会話 ①
マ「はぃはぃマクネルでございます」
カ「何かキャラ違くないか(笑)」
マ「だまれ」
カ「こぇ~よ」
マ「はぃというわけで、ついに三つ目の里というわけですけどね」
カ「無視かよ!」
マ「いや~にしても、ここまでキャラ濃い人 ばっかでしたね。」
カ「あぁ…まぁオレとかな(笑)」
マ「えぇ~特にマスターアースなんかね。」
カ「また無視かよ!ってかボケ殺しかよ!!」
マ「もぅね。登場シーンこそ少ないけどね、上半身裸とかね!歩く猥褻物だね!」
カ「いやヒドイよ!てかお前もだよ!むしろ土の里全員だよ!」
マ「はぃそんなとこでネタがつきました」
カ「はぇ~よ!てかネタかよ!!」
マ「以上ハエがギャァギャァうるさいですが、この辺で」
カ「ぇ…ぁ…またね!」
