中学生の時でした。

その時私は家で一人留守番をして、

部屋に閉じこもって漫画を読んで

いました。

漫画を読んでいるといきなり

ドアが開きました。

その当時、

私は高校受験を前にしていた

こともあり両親に、漫画、ゲーム等の

娯楽を規制されておりました。

そのようなこともあって、

両親に漫画を読んでいたことが

ばれたのかと思ってかなり過剰に反応し、

ドアのほうを見ました。

 ドアの向こうにはだれもいませんでした。

 風のせいでゆるく閉まっていたドアが

開いたのかなと思い、いちいちびくびく

しながら漫画を読みたくないことも相まって、

家中の窓という窓を閉ざしました。

私が住んでいた住宅は気密性が高く

、隙間風は窓を閉めたら一切吹きません

でした。 

また、漫画を読んでいるとしばらくして、

ドアが開きました。

妹が私にいたずらでもしているのかと思い、

家中をくまなく探しましたが、

やはり私一人でした。 

しばらくして、またドアが開きました。

空調のせいで風が吹いたのかなとも

思いましたがそもそも空調はかけて

いませんでした。 

開いたドアを私は閉めます。

また、しばらくして、ドアが開きました。

私は閉めます。――

このようなことを3,4回して、

なんでこんなにドアが開くのか不思議に

思って、しばらくドアのほうを

見つめたままじっとすることにしました。

 唐突に、ドアノブがゆっくりと曲がり

、三十度ほど曲がったところで、

ドアがカチャリと音を立て開きました。

 ドアの向こうにはだれもいませんでした。

 部屋のカーテンが風もないのにふわりと

そよぎました。 

その直後、電話が鳴りました。

当時中学生の私はなけなしの勇気を

振り絞って電話に出ると、何のことはない、

私の祖母の電話でした。 

その時の通話内容です。 

「もしもし、お母さんいる?」 

「おばあちゃんどうしたの?」

 「いやね、さっきおじいちゃんが死んだの」

 偶然かどうかは個人の判断に任せるしかありません。