不思議な体験は、あとにも先にも

これしかないのでアレなんですけど。

 小学校6年のときに、

北海道で小樽万博が開催されたんですよ。

 それで社会見学ということで、

ひとり旅を両親から許可して

もらったのですが、なにせ国際的な

博覧会ですので宿泊施設が

ぼろい個人経営の民宿?

しか予約がとれなくて。

 

 宿泊初日、夜に電気を点けたままで

布団に入っていたのですが、

横向きに寝ていたら耳元で

何者かが拍子木みたいなものを、

「かーん、かーんっ」

て弱い加減で打ち鳴らすのですよ。

掛け布団の下で身体を動かすと、

身体は動くのです。

耳元で何かを動かす風圧も頬に感じる。

大人になって、

誰かにこの話をすると決まって

「何で振り向かなかったの?」

て言われるんですけど、

映画のブレアウィッチプロジェクトで

「怖くて目が閉じられない」

ってコピーがあったじゃないですか。

あれの逆で、

怖くて目が開けられないのです!

 

そのまま眠ってしまったようで、

気がつくと朝でしたが、

道中何も起こらず、結局のところ

未だにあれが何だったのかわかりません。

 ただ、何となくですが、

見なくてよかった、とだけは思います。 

 

その後、成長して、今となっては

年寄りですが(笑)、

職業柄で睡眠関連障害の方の

お話を伺う機会もありましたが、

いわゆる入眠時幻覚や

REM睡眠行動障害のパターンとも

何となく合致せず、気のせいという

ことにしています。 

力技です(笑)。

 繰り返しになりますが、

それでもやっぱり、

あの時見なくてよかった…と思う、

今日この頃です。