唸る青白い顔 心霊体験中って 生きた心地がしませんよね。 これは私の体験なのですが、 聞いてください。 忘れもしない、 小学2年の頃です。 当時、 祖父が病気で亡くなり、 納骨を済ませたばかりでした。 放課後、 遊びに行った友達の家で 心霊写真の本を見せられ、 オカルト話に花が咲きました。 そして帰り際、 「夜2時までに寝ないと、 幽霊が出るんだぜ」 と言われ、 その事を真に受けた私は、 その晩、 なかなか寝付けずにいました。 当時二段ベッドの上で 寝ていたのですが、 ふと壁のデジタル時計の 光を見ると、 とうとう2時になって しまいました。 布団を被って、 寝ようとする程眠れません。 どれ位経ったでしょうか。 何処からか、唸り声のような ものが聞こえてきました。 「ま、まさか…」と思い、 布団から顔を出してみると、 枕元のベッドの角に、 青白い輪郭の はっきりしない顔が 「ムォ~、ムォ~」 と私を見ながら唸っているのです。 「本当に出た!!」 と、咄嗟に布団を被り、 震えていました。 「あれは父さんのイビキで、 実は目の錯覚では?」 と思い直し、 もう一度覗いてみても、 やはりそいつはいるのです。 しかも目が合うと、 デスマスクのように 黒く塗り潰されて分からない 瞳をカッと開けて、 こちらを睨んでくるのです。 それからずっと、 朝が来るまで布団の中で 震えていました。 外が明るくなる頃には、 顔は消えて声も止んでいました。 そして不思議と眠気がないまま 学校へ行ったのです。 朝日や友達の顔を見るのが 凄く嬉しかった記憶があります。 あの顔は何だったのでしょうか?