2023年9月、宝塚歌劇団に所属する女優さんが、自ら命を絶ったという大事件。2024年3月末に、阪急阪神HD・歌劇団側がいじめとパワハラを全面に認め謝罪、ご遺族と「合意」されたということで、一旦区切りでしょうか。
劇団としてはこれからが本当のスタートとなる訳ですが、ここで自分の感じたことなどを書き残します。
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自分の立ち位置ですが「名も無きモブ国民」です。宝塚ファンではありませんし、舞台も観たことはありません。関西在住故、周囲に宝塚ファンはいる、そんな感じです。
宝塚ファンではないからこその視点になります。
この事件の一連のくだり、ニュースで追いかけていました。モブ国民なので、記者会見や報告書などは、ニュースの内容流し読み程度。
ですが、ここで書き残すのは、宝塚歌劇団や親会社阪急阪神HDの対応の稚拙さや、ご遺族代理人である弁護士が提出したパワハラの証拠とされるものがどうとか、そういう内容ではありません。
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気になったのは「故人・ご遺族への誹謗中傷」。
宝塚ファンの中…(特に加害者とされる宙組トップスターのファンが多く、彼女たちを守るという名目で)、自分自身こそが「正義の救世主」と固く信じており、故人やご遺族に誹謗中傷することを正当化している人々がいます。
しかも、これが良い年齢をした大人たち、自称「私こそ正義の救世主」派です。
当然ながら、彼らには世間一般の社会における「常識」は通用しません。
だからこそ、この人たちの思考はどうなっているのだろうか?
自分なりに考察してみました。
自分の見た限り、誹謗中傷を行う自称「私こそ正義の救世主」派は、ほぼ全員、以下の条件を満たしていました。
以下、彼らの考えです。
1:パワハラやいじめは存在していない
2:マスコミはデマばかり、特に悪いのは文春
3:故人が精神的に弱かっただけ
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「1」に関して
3月末に、ようやく宝塚歌劇団・阪急阪神HDが認めたパワハラやいじめについて……彼らは認めていません。
表向きは「裁判をして、白黒はっきりつけたらいい」と客観的な判断に任せるよう言いますが、本当に言いたいのは「パワハラ・いじめは存在しない」こと。
ですから、もし裁判をして認められても「裁判の基準がおかしい」と言うのが、目に見えます(笑)。
その昔、宝塚では、いじめ問題(96期?今から15年以上前ですかね)で裁判になったようで、そこでいじめを認定されたんですよね。それを受けても尚、今現在がこの有様……例え、裁判で白黒つけても、宝塚歌劇団サイドは無視を決め込むだけで、何の意味もない、というのは素人の自分でも分かります。
都合が悪いのか、その点には一切触れないのが自称「私こそ正義の救世主」です。
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「3」についても、
故人1人、もしくはご遺族の責任にしたいので、「故人が自ら命を絶った理由なんて分からない」と言います。分からないこそ「宝塚歌劇団のせいではない=パワハラ・いじめは存在しない」と言う謎の方程式。
それ故、故人のことを直接知りもしないのに、「死因は失恋です!」「死因はうつ病です!」とデマを言いふらしたりしています。完全なる誹謗中傷ですが、ご本人は、自称「私こそ正義の救世主」。
彼女は「私は宝塚を救う救世主になる!」使命に燃えているので、社会的に真っ当な注意や忠告は、全て「私は攻撃されている!」に変換されます。
ああいう人たちの本来の目的は「宝塚を救う救世主(ジャンヌ・ダルク的な…)」として、全宝塚ファンから崇められる存在になることなので、彼らが叫ぶ「宝塚の為に!」は、自分の承認欲求を満たす建前にすぎません。
今後も、
彼らによる、自身の妄想を「真実」として発信するのは止まらないでしょう。
もし止まったら、それはご遺族から訴えられて有罪になったか、家族や親族によって然るべき場所に連れていかれたか、のどちらかです。
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最後に…一番「2」が分かりやすい。
彼らの主張は「文春がデマ報道を流したから、彼女は亡くなったのだ!」のみ。
文春は100%真実とは思えませんが、100%嘘でもない。
むしろ「ヘアアイロンではなく、まつげのホットビューラー!」「故人は失恋が原因で命を絶った!」と激しく主張している自称「私こそ正義の救世主」派こそが、大嘘の妄想・デマばかりでした。
文春筆頭に、週刊誌の報道に怒りを覚えているのは、宝塚に限らず多くの人がいますが、故人の亡くなった原因を文春報道に集約しているのは、自称「私こそ正義の救世主」が目立ちます。
文春の方が、圧倒的に世間からの信頼を得てることを受け入れられず、故人のプライベートを何も知らないのに、亡くなった原因を断言できるその精神は、常識では理解できませんが……そもそも理解するものでもないですね。
故人の亡くなった原因は、故人にしか分かりませんが、
何もしらない赤の他人である自称「正義の救世主」の都合の良い主張よりも、身近に彼女を見て知っているご遺族の方が真実に近いのは間違いありません。
自ら命を絶った事件において、稀にご遺族に問題がある(?)件もありますが、今回に限っていえば、弁護士が代理人としてきっちり対応されている点も踏まえると、それはないでしょう。
他にも「文春にリークした下級生が悪い!」「甘ったれている!」と主張している人もいますがしかし……宝塚歌劇団がいじめ・パワハラを認めた以上、彼らの主張は何の意味も持たないですね。今更撤回もできる訳もなく、彼らの主張は世間的に見て誹謗中傷に当たるため、世論をひっくり返すのも不可能。
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「宝塚に興味・関係ない人があれこれ批判的なことを言うな!」という声もありましたが、企業には「社会的責任」があります。
企業は、利益の追求を目的に活動していますが、「職場環境の整備」「法律を守る」義務があります。大規模災害の時に救援に参加することも社会的責任の一つであり、「社会に広く貢献する」ことが求められています。
今回の件において、多くの人が批判の声をあげたのは、阪急阪神HD・宝塚歌劇団が「社会的責任」を果たしていないから。大企業かつ交通というインフラを担っているので、国民の目は特に厳しいです。
自分たちファンさえ良ければそれでいい、は通用しないんですよ。特に阪急阪神HDという大企業に属していれば。