『本を手に取る』という動作が本を買うきっかけとなることが一番多い。
 私は書店という空間がとても大好きである。セール中やアナウンスなどの余計な情報が耳や目から入ってくることのない落ち着いた空間であり、まだ見ぬ本にワクワクできるところである。Amazonなどのネットショッピングの発達や、電子書籍の登場により書店に立ち寄る機会が減っている人もいると思われる。加えて、AIの発達によりネットショッピングではリコメンドが充実しており、買った本や好きな作者に似た作品が勝手に並べられる。リコメンドからの購入を続けていても新しいジャンルの開拓は難しい。本は無限に存在するのだから、偏ったジャンルだけを読むのはもったいないと考えている。
自分で本を買うようになった頃の私は好きな作者の本を買い漁り、漁りきったらネットでリコメンドから適当に買うことを繰り返していた。しかし、自然と似たようなジャンルを読み続けていた私は飽きを感じてしまい、一時期読書から離れていた。そこで原点に帰り、書店で本を探してみた。作者名順に並んでいるところから無作為に本を手に取りパラパラとめくりを繰り返すと不思議と読みたい本というのが10冊ほど見つかる。そして最後にもう一度手に取って表紙を見ると本当に欲しい本が分かってくる。この行動が功を奏して読書という最高の暇つぶしの楽しみを再度見出すことができた。
 自粛期間は書店に行くことも控えていたが、自粛明けにはすぐに書店に行った。そこで同じように本を手に取ってみたが不思議と読みたいと思える本は10冊程度だった。読みたい本というのは何故か目に止まり、実際に手に取って分かる何かがある。この何かが表紙の好みなのか、文字の大きさなのか、電子書籍にはない紙の質感なのか、出版社なのかは本当にわからない。もちろん買った本の中で面白くない本もある。しかし何かを感じ取った本のジャンルには偏りがなく、いろんな本を読むことができる。新しいジャンルの本を読んで、気になることがあれば、ネットで調べることもできる世の中である。知識はどれだけあっても困るものでないし、更新されていくべきものであるので、これからも紙媒体の本を読み続けていきたいと思う。