研修旅行で神田古書街に行ったはいいが……青春は短し、学べよ私。 | 物騒なので防犯対策しようかな

古本、と。耳にしまして。

 「本を売るならブックオフ♪」のメロディーが頭をよぎる私は、現代っ子なのか、
 はたまた文学部に在籍しながら漫画コーナーに立ち寄る圧倒的な時間の長さは勉強不足を物語るのか。
 両方に該当する私であります。
 
 先日、といいましてもだいぶ前のことになりますが、在籍する短大の研修旅行で、神田神保町へ行ってまいりました。

 古書巡りでもっとも私が学んだのは、あのいかにも顧客のことを考えずに背高く積まれた本の数々に
「お前など及びでない。勉強不足は帰れ、帰れ!」と言われたことであります。(幻聴です)

 私は貧乏学生。本は決して安い買い物ではありません。
 だからこそ私たちは読みたいものを自由に、かつ贅沢にワガママに選びます。

 だからこそ慎重になるわけですが、神保町の古書店で本を選ぶとしましょう。
 そこで思わずにはいられない。えぇ、いられませんでした。


 ――いやいや、ちょっと待て。選んでいるのは本当に私なのか? と。


 私は読書が趣味ですが、あの古書店街に並ぶ本のほとんどを正しく理解できないでしょう。
 手に取ろうとした書物たちはまるで砂のように「お前に俺が理解なんてできるかよぅ。ケッ」と指の股からすり抜けていく気分なのです。

 あの空間だけは本たちが自分を買うべき人間を探している気がします。
 白い肌がいくら茶に変色しようが、表紙がぼろぼろになろうが、売り物として生きている彼らは自分たちが次に行き着く本棚を瞬きもせずに探している。
 そんな妄想をせずにはいられないほど一つ一つの店が別世界に思えました。

 ふと、私は谷崎純一郎の小説集と目が合いました。

 機会あって私は谷崎の作品に触れたことがあり、これも何かの縁と思い購入しようと思いました。

 書物はおそらく「私、こんなおつむの残念な小娘に買われるの!」と顔を顰めたでありましょう。
 私は意地になって引っ張り出しました。
 レジに向かう前に、と値札を確認する私。

 危うく手から滑り落ちそうになりました。

 「こ、古書……古書なのに二万円……だと……?!」

 そっと棚に戻したのは言うまでもありません。

 なにはともあれ、本屋で「読めるもの」を探すなんてみじめな話であります。

 身の丈にあった本を読む。
 頭の中身も、財布の中身も。
 いつかもっと贅沢に、ほしいままに活字の海におぼれてみたいものですね。

 青春は短し、学ばねば、私。

 

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