【リバティ8月号】

こんにちは。

バーテンダー遠藤です。

この号が出る頃はもぅ夏でしょうか。


ですので、夏のカクテルについてお話したいと思います。

夏にバーでよく飲まれているカクテルといえば、フローズンダイキリやピニャコラーダに代表されるトロピカルカクテルです。

トロピカルカクテルとは、その名の通りトロピカル(熱帯)のフルーツやお酒をふんだんに使ったものが多く、ベースに使われるお酒はやっぱりラム酒です。

ラム酒は西インド諸島(カリブ海)のお酒で、サトウキビを原料に作られた蒸留酒で、映画パイレーツオブカリビアンなどにも出てきます。
海賊が好んで飲んでいたようですね。

ラム酒の歴史は複雑に世界史とも関わってきます。
サトウキビは1492年コロンブスの新大陸発見後、スペインから持ち込まれたと言われています。
そしてサトウキビ栽培に適した西インド諸島で砂糖工業が発展して行きます。
17世紀にはアフリカから黒人が奴隷として連れてこられ、サトウキビ栽培の盛んな西インド諸島に運んで売り、糖蜜を輸入し、アメリカで蒸留したラムをヨーロッパに運んで売り、その利益でアフリカからさらに奴隷を買う。という、三角貿易と呼ばれる悲しい歴史の一部となってしまいます。

こういった歴史もあり、ラムを飲むのはカリブ海の海賊といったイメージがありますが、ラムはパイレーツオブカリビアンにも出てくるイギリス海軍の水兵への支給酒でもありました。

現在も【海の男の酒】といったイメージがあるのもうなずけますね。


レゲエて有名なジャマイカも有名なラムの生産地の一つで、マイヤーズやレゲエラムといった銘柄があります。


ラムの語源はラムバリオン=大騒ぎ と言われています。
楽しいお酒の代表ですね。
本誌をご覧の方たちは音楽の好きな方も多いと思います。
自分も音楽は大好きなので、音楽に合わせて飲むお酒を選ぶことがあります。
僕の個人的な意見ですが、やはりラムを楽しむにはレゲエやラテンを聞きながら仲間とワイワイ飲むのが一番です。

そしておつまみもやはり、クレオール料理などの郷土料理が一番合います。

ラムはシャンパンなどの様に洗練されていないところが魅力です。
気取らずに自然体で楽しみたいものです。

もちろん、楽しいからと言って飲み過ぎてはダメですよ。



カリブ海にはチェ・ゲバラや文豪ヘミングウェイで有名なキューバがあります。


キューバ独立戦争の合言葉「Viva Cuba Libre(キューバの自由万歳)」にちなんで作られたカクテルがあります。


1898年8月、スペインからキューバ独立を助けたアメリカ人将校が考え、部下達とキューバの自由…Cuba Libre!と乾杯し、【キューバ・リブレ】と呼ばれるようになりました。


【キューバ・リブレ】

・ラム×30ml
・ライムジュース×5ml
・コーラ×適量



そして、独立戦争には関係ないのですが日本生まれの夏にオススメのカクテルを…。


【ソルクバーノ】

・ラム×30ml
・グレープフルーツジュース×45ml
・トニックウォーター×適量


こちらは「キューバの太陽」という意味です。
1980年に木村義久氏がグランプリを受賞された作品でし。
ですが、今はオリジナルレシピとは違い、飲みやすくアレンジされています。
それでも名前や材料は変わらず、これからも愛されていく素晴らしい作品です。


そして、キューバ生まれの最も有名なカクテル…


【ダイキリ】

・ラム×45ml
・ライムジュース×15ml
・砂糖×1tsp

こちらはシェイク。


19世紀末、キューバの鉱山で働く技師達が飲んでいたのが始まりで、1902年にキューバ南東のダイキリ鉱山で働くアメリカ人ジェニング・コックス氏が職場の名を付けました。


ラム酒と一言で言っても多くの種類と多くの物語があります。


皆さんもぜひ物語と一緒にカクテルを楽しんで下さい。

きっとBARでの一時が変わりますよ。


遠藤 祐明