
しんさん?曲……終わってますけど?
てるおですけど、何か?
曲が終わっても叩き続ける。
「間違ってませんけど?」みたいな顔で、
ギターのまつしたを見つめ返す。

けんいちも俺も、
その見つめあう2人を見つめる。
ドラムの音だけ虚しく響く…。
誰もふざけてはいない。
俺らは、真面目にリハーサルをしているが、
時折、こんなことが起こる。
それが
ボービーノックである。
…以前、ご一緒したバンドの
当日リハーサルで、
ギタリストが曲のアレンジについて大事な事を言う。
ドラマーはその意見が聞こえないのか、
ずっと調整をしている。
ベーシストはその状況を面白がってみている。
ボーカリストは、リハーサルで何を合わせるか?
考えながら、マイクの前に立っている。
とりあえず合わせようとドラマーが曲を始める。
しかし、アレンジの話を聞いていないから、はみ出る。
ほかのメンバーは、何気に聞いてたようで、
ドラマーが孤独になる。
が、
その状況を跳ね返すドラマー。
キタリスト対ドラマーのアレンジ案合戦のさなか、
「ギター音大きくない?」とおもむろにベーシスト。
ボーカリストは、自分のギターの音が気になるらしく
ずっといじってる。
はたから見たら、
誰一人会話が成立していないように見える。
が、
それなのに、瞬時にまとまる。
それがそのバンドのスタイルなのだ。
そんなバンド…いいな~と思う。
何となくそんなことを思い出した、今日のリハーサルでした。
