・・・――高校2年6月、西暦にして2003年
あっち ぃなー
がやがや雑音が鳴りやまない廊下で男は呟く。
男は山地裕也(やまちひろや)16歳。
裕也ぁーと廊下の先で大きく手を振る男が近づいてくる。
おおぅ・・おはようと慣れた風に挨拶を交わした相手は高下雄介(たかしたゆうすけ)。
俺のクラスメイトで仲がいい友達だ。
雄介は必死に遅刻してしまうと言いながら俺をせかす。
もちろん俺は・・・走って無かった。
1分で教室まで行けるはずもなく諦めていた典型的な遅刻魔だからだ。
雄介いい加減諦めろよ、1分で着くわけねーじゃんと俺が言うと雄介は
ばっか、遅刻しないように頑張ってるとこアピールだよと無駄な事をする。
俺はそんなアピールするくらいなら初めから遅刻しないようにする努力した方がいいだろと
心の中で悪態をつくが、いかんせん自分も遅刻常連なため、ため息を吐きながら雄介の後を追った。