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 洋服を着たりつり革を持ったりする際に腕を上や後ろに動かせない、寝ていても強い痛みで目が覚める-。突然始まるこうした肩の痛みは、中高年に多いため、四十肩や五十肩と呼ばれる症状。無理に動かしたりせず、適切な治療やリハビリに取り組むことが回復への近道だ。(竹岡伸晃)

 ◆後遺症が出る例も

 都内の会社員の女性(47)は通勤途中、電車が揺れた際につり革を持っていた左腕が引っ張られた。約3週間たって徐々に左肩の痛みが強くなり、夜も眠れないほどの激しさとなった。湿布などでは十分に痛みが取れず、肩の関節の動きも悪くなったため専門医の元へ駆け込んだ。

 これは、聖路加国際病院(東京都中央区)整形外科医幹の田崎篤さんが診察した患者の実例だ。レントゲン撮影では肩に異常は確認されず、症状やその出現パターンから「五十肩」と診断した。

 肩の痛みに悩まされる中高年は多いが、その原因はさまざまだ。腱板(けんばん)(肩の筋肉と骨をつなぐ部分)が切れる「肩腱板断裂」、腱板にカルシウムが沈着する「石灰性腱炎」のほか、頸椎(けいつい)や肺、神経の病気などが潜んでいる場合もある。このため、「専門医を受診することが第一」(田崎さん)。

 四十肩・五十肩の正式名称は「肩関節周囲炎」。腕を上げたり後ろに引いたりすると痛みがあり、眠っていても体勢によってはズキズキ痛み、目が覚めることすらある。50人に1人が発症するとされる、比較的メジャーな病気だ。

 肩関節を包む袋状の組織(関節包)に、広く炎症が生じることが主な原因と考えられている。腱板や肩関節包などの老化に加え、腕を引っ張られたりひねったりした際に生じる「小さな捻挫」が発症のきっかけになるという。

 痛みが続く疼痛(とうつう)期(発症から3~6カ月)、痛みが和らぐ一方、肩の関節が固まって動かなくなる拘縮(こうしゅく)期(同3~8カ月)を経て回復期(同1~2年)へと向かう。途中で痛みが引くため「自然に治る」という認識もあるが、田崎さんは「適切な治療、リハビリを行わないと、肩に動きの悪さや痛みなどの後遺症が出る場合がある」と警告する。

 ◆血行を良くする

 疼痛期に痛みが強い場合は安静を心掛ける。「関節が固まるのを防ぐために無理やり動かす」のは逆効果。悪化して痛みが増す結果となる。症状が重い場合は、非ステロイド性消炎鎮痛剤の内服や、ステロイド剤の内服、注射などで痛みをコントロールする。

 拘縮期に肩が動かなくなるのは関節包が繊維化するためだ。固さを取るため、医師や理学療法士の指導を受けながらリハビリを行う。

 田崎さんは「予防には、適度な運動やストレッチで体の血行を良くし、柔軟性を保つことが不可欠」と指摘。「発症しても生活や運動に支障のない状態まで回復できる。根気強く治療やリハビリに取り組んでほしい」と話している。


(この記事は産経新聞から引用させて頂きました)



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