再掲　「いつ夕」解説　５２

五日目　Ⅰ

連日、街を歩き回り、飲み続けた疲れもあってか、

昼まで寝ていたヨシ君に友子から電話が掛かってきます。

友子も罪なヤツですが、まあ、分からんでもないですかね。

普段、男っぽい格好の友子ですが、

この時ばかりは、オメカシして女らしい装いです。

これは、「チンピラ」という、柴田恭兵さん主演の映画へのオマージュですね。

テンポよく、ノリよく、カッコよく、(白のスーツ買っちゃいました)

ラストシーンなどは「スティング」を彷彿とさせる感じで、好きな映画の一つです。

高校生の時、映画館で何度も観ました。

土曜日のオールナイト三本立て、タダ券で入って二回観るとかやってました。

主題歌も好かったですね～♪

４６分テープいっぱいに録音して繰り返し聴いていました。

♪ 何処か知らない街～ …… 夢のような話を… 聞かせてえ～

ある意味、「いつ夕」にも通じる歌ですね。(*^_^*)

青空の下、出発！

ヨシ君の心境を表すかのように、BGMは「時間よ止まれ」です。

しかし、このデートは、昨夜、突然のアンヘル来訪によって、

一矢が酔いつぶれるというアクシデントによる、

友子の「当てつけ」であることが判明します。哀愁デートですなあ。

俺も何度もありますね。

「大切な仕事を優先してるのだから仕方がないだろう」

「友人を大切にしているのだから分かってくれるだろう」

と、ゆーのが、言い分ですが、これは、彼女への甘えですね。

彼女なら、仕事、友人の大切さ、重要さを理解してくれる、

我儘を分かってくれる、許してくれる、という甘えがあるのです。

「仕事、友達と、あたしと、どっちが大事なのっ！」

と、怒られますが、ついつい甘えてしまう。

どちらも、大事、大切なのですが、

「男たるもの、私的なこと (恋愛、家庭) よりも、

公的なこと (仕事、友人) を優先すべきである」

と、ゆー変な観念、価値観、見栄、カッコつけもあるのでしょう。

一矢もいい歳して、また同じ失敗を繰り返している。懲りないヤツです。

まあ、相手がアンヘルなので、大目に見てもらえるのでしょうが……。

海辺をドライヴしながら、友子の生い立ちが明かされてゆきます。

友子が、こんな「いいコ」になったのも、

両親、姉、祖母たち家族のお陰なんですね。

それでも、オカシナなオトコに引っかかってしまう。

これも、若さゆえ、経験不足だからでしょうねえ。

引っかかってズルズルとオカシクなる人もいれば、オカシクならずに済む人もいる。

一矢にしたって、オカシイと云えばオカシイですから、

友子の好みもオカシイのでしょう。「類は友を呼ぶ」オカシナ者同士なのです。

皆、それぞれにオカシナとこはあるでしょうから、「ほど」が大切なのでしょう。

友子を素直な？世間知らずのお嬢さん、みたく描かなかったのは、

恋愛や失敗、挫折、危なっかしいことを少しは経験しておいたほうがいい、

と、思うからです。

何事も経験は大切です。経験があるからこそ、人を見る目も養える。

判断や処置、対応が、そこそこ適切にできるようになれるのではないでしょうか。

あと、思いやり、気配り、気遣い、気働きなんかも経験によるのでしょうね。

いくら経験豊富でも、それを活かせなければ、成長しなければ、寂しい感じですね。

成長には、向上心が必要なのでしょう。向上心は、よき手本からでしょうから、

よき手本となる人との出会いであり、その「よき」基準、価値観とは、

親から授けられる、親の影響を受けるものでしょうから、

やはり、親子関係って大切なんですね。

純粋無垢、という人がいるのかどうかは分かりませんが、

男も女も多少の偽善、ブリッコをするにしても、

過度の偽善、ブリッコは何だかキモチワルイですねえ。

かといって、ムキだしのホンネというのも殺伐としますし、何事もほどほどに、

好い加減、中庸がいーのかなあと思います。

偽善者であるという自覚があれば、相手の偽善も許せるのではないでしょうか。

大抵、男性が描く女性というのは、

聖女か悪女かみたいな感じになりがちなのでしょうが、

これは、男ですから、女性の内面までは、よく解らないのと、

(女性が描く男性に、男がリアリティを感じられにくいのと同じく)

ついつい理想像を描いてしまうからでしょう。

母が、男性作家の小説に登場する女性に、「そんな都合のいい女はいない」とか、

「この作者は女性に期待し過ぎ」とか、「こりゃあ、女をモノとしか見ていない」とか、

ツッコミを入れていました。

きっと、友子もツッコまれることでしょうが、俺の理想像なので勘弁してください。

これが創作の面白さで、

あり得ないこと、理想像を、あり得るように文章というカタチで描ける。

描いたことにより、作者(俺)には、実在の人物、出来事のような存在感が得られる。

自らが創作しておきながら、その架空の人物に人格、実存性を感じられる。

「いつ夕」では、ヨシ君、一矢は俺の分身ですし、

殆どの登場人物にはモデルがいますが、

友子だけは特別な存在ですね。

理想の社会像と理想の女性像、どちらも現実には存在しません。

現実には存在しないものを、「いつ夕」というカタチで存在させたかったんでしょうね。

願望をこめて。

友子は実在しなくても好いですが、(と、ゆーか、俺の心には存在しているのですが)

理想の社会、〝和〟の社会、調和の世界は実現させたいです。(*^_^*)

それは、皆で共有、実現できる可能性がある (と、俺が信じている) からでしょう。

日日好日

上掲の記事は２０１７年のものなのですが、

友子について熱く述べていますね～。(*^-^*)

友子については、俺の友たち、身近な人たちは分かっているでしょうから、

ここでは述べません。

さあ、あとは、理想の社会、〝和〟の社会、調和の世界を、

実現させるだけですね。

俺は今も、実現できる可能性がある、と、信じています。

暁をまちながら

☆☆☆☆☆

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