「物の海、ティッシュとトイレットペーパーの山」 母の家の整理、始まる

前回も書きましたが、実家の整理を進める中で、特に衝撃を受けたのが洗面所やトイレ周辺に広がる“白い壁”でした。

その正体!膨大な量のティッシュ&トイレットペーパー。

 

■白い壁

「これは…どれくらいあるんだ?」と呟きながら、クローゼットの扉を開けると、そこには新品同様のパッケージがぎっしり。さらに棚の奥、押し入れ、そして天袋まで、どこを開けても「白い壁」が続きます。備蓄の量は尋常ではなく、ざっと見積もっても数年分は軽く超えています。

母に聞くと、「東日本災害の時に困ったからね」との答え。確かに災害対策としてティッシュやトイレットペーパーを備蓄するのは重要ですが、この量は明らかに過剰。
そしてさらに驚いたのが、ハミガキ・歯ブラシ・洗剤の備蓄量です。棚から歯ブラシ・歯磨きがドラックストアーの在庫かと思うぐらいの量が・・・さらに液体洗剤の替えや液体洗剤のボトルが次々と出てきます。
保存状態は悪くはなかったので、ご近所に、お歳暮を配る宅配の人の如く、配りまくりましたが、減らず、親戚に連絡して引き取ってもらう始末。貯めこんだ結果、買ったお金がもったいない・・という事態を招いていましたかもしれません。

 

■庭にさらなる地獄が

庭に目を向けると、次なる試練が待ち受けていました。特に通路沿いに植えられていた藤が、完全に野生化していたのです。本来なら美しい藤棚になるはずだった藤は、柱を飛び越え、地面まで垂れ下がる「お化け藤」と化していました。庭の通路はほぼ通行不能で、見た目はまるでホラー映画のワンシーン。鬼も避けますね・・・

1日かけての重労働、藤は意外と強靭で、簡単には切れません。手にした剪定ばさみはすぐに役立たず、結局、のこぎりで切断しました。

これ以外にも、五月・つつじなどの伐採作業を終え、昭和世代に言いたいのは「いつか役立つもの」は、「あまり役に立たないことの方が多い」です。

 

手放すことへの罪悪感があったのでしょうが、それが積み重なり、片付け地獄を招いたのだと感じました。

こうして膨大な量のティッシュやトイレットペーパー、洗剤、そして「お化け藤」との戦いを乗り越えながら、実家の片付けは一歩ずつ進んでいきます。母の思い出が詰まったこれらの物たちは、時代の証人とも言える存在でした。
 

続く。