アラフィフおじさんの「調子に乗っていた10代のバイクの話」雨の夜、峠で合った優しい兄さんたちの話
この歳になっても忘れもしません、17歳のある日天気もろくに見ずに、夜中に一人でツーリングに出かけました。しばらくは夜の街灯が並ぶ峠道を走っていたのですが小雨が降り始め、次第に本降りとなって行きました。スズキRGΓ50にで走りながら
引き返せばよいものをそのまま、山中湖へ向けて走り続けていました。
そして悲劇が訪れました。ぬれたカーブに差し掛かり、後輪が滑り、バイクごと横倒しに! 私はそのまま路肩へ滑り込む形で転倒しました。 転んだ衝撃で膝を掻きむきましたが、バイクの損傷はそれほどでもなかったのですが、初めてバイクでこけたというショックで、ひとり雨に打たれながら絶望的な気持ちで街灯の下までバイクを押し立ち尽くしていました。
そのとき、「ブォーン!」というエンジンあたりから聞こえてきました。振り返ると、一台の車がやってきて「大丈夫か?」と二十歳くらいの大学生らしきお兄さんでした。
その一言がまるで天使の声のように聞こえました。事情を話すと、兄さんは「まあ、
この程度でよかったな」といって、僕のバイクを一緒にチェックしてくれました。チェーンやタイヤを軽く確認してくれる手際の良さに感動しました。
さらに、「寒いだろ」と近くの自販機で暖かい缶コーヒーを買ってきてくれました。
その缶コーヒーの温かさは、雨で冷えた僕にとっては、体だけでなく心にも残りました。その後、「気をつけて帰れよ」と見送られて家路につきました。 帰り道、雨の中でも心はポカポカでした。 この夜の出来事は、今でもバイクライフの中で
も心に残る思い出の一つです。
雨の夜のバイク事故には、気を付けましょう。
無理は禁物ですねっとその頃の私に行ってあげたいです。