会社の同僚の誕生日ということで、栗好きの彼女のためにと、私の大好きなマロンケーキをカップケーキ風に仕立てて焼き上げ、そこにミロワールを施しお洒落に艶を出して演出しようと思った。

ところが、当たり前のことだがカップケーキサイズにすることで、中身のしっとり感よりも周囲のぱさぱさ感が際立ってしまった。さらに、ミロワールを美しく仕上げるには温度が重要で、一度焼き上がったケーキを冷凍しておく必要があったと気が付いた時には後の祭り。なんだかチョコのお化けのような塊が出来上がってしまった。

翌日持っていくようにとケースに入れて、それごと冷蔵庫に保存していたが、当日、もう一度出来栄えを見て、持っていくことを断念した。違う。ミロワールのお洒落さが十分に発揮出来ていない。

そこで、今度は以前作ったチョコレートムースに、さすがに同じではつまらないので、ホワイトチョコレートで作るムースの二層立てにして、そこにミロワール施してみようと思い至った。125mlサイズのヨーグルトカップを準備して、先ずはホワイトチョコレートムースを作って入れ、その後でチョコレートムースを入れた。

ただ、ホワイトチョコレートのムースが、どうも想像していたものと違う気がした。ゼラチンを使うことに、違和感を覚えた。というのも、チョコレートムースの方にはゼラチンを使わないからで、これでは口当たりが全く違ってしまう。

しかし、そう気が付いた時には後の祭り。出来上がったものを味見してみると、それぞれに美味しいのだが、一緒に味わうと、全く合わない。チョコレートムースのレシピは、ダークチョコとミルクチョコで二層作るものであったし、ホワイトチョコレートのムースのレシピは、キャラメル味との二層で作るものだった。

プロはちゃんと味や食感を考えてレシピを作り上げている。だから、最初から応用編を勝手に手掛けてしまっては、失敗するのも当たり前のことだろう。

残念なことに、今回もチョコレートの塊の出来損ない君は、冷蔵庫に取り残されてしまうことになった。次回こそはレシピを忠実にたどることにはするが、暫くの間はもうお菓子作りはよいかな、と思っている。

かくして、同僚は今でも彼女の誕生日にお菓子を作って持っていこうとした私の気持ちを知る由もない。まあ、いずれ別の機会があるだろうか。