バスク地方に未だ踏みもみず、なのだが、何故にここまで魅かれるのか。何がきっかけになったのか今では分からずじまいだが、ひっそりと隠れていたガトーバスクへの憧憬の思いがふつふつと膨らみ、多くのレシピをチェックし、比較し、作り方の手順を頭の中で何度もシミュレーションし出すと、もう抑えきれずになり、三度目の正直ではないが、新たなレシピを手に再度挑戦してみることになった。



レシピでは丸い18㎝の型となっているが、我が家にある最小サイズで20㎝。ままよ。最初からレシピ通りにならないことに苦笑を禁じ得ない。気を取り直して、タルト生地を作成する。



【タルト生地】

  • 無塩バター 150グラム 室温に戻しておく
  • キビ砂糖 100グラム
  • 全卵1つ、卵黄1つ
  • 薄力粉 145グラム、強力粉 50グラム
  • アーモンドプードル 70グラム



①    泡立て器を使ってバターをクリーム状に滑らかにし、砂糖を入れて更にかき混ぜ、事前に溶きほぐしておいた卵を入れ一層良く混ぜ合わせ、塩一つまみを入れておく。

②    ①に事前に篩っておいた粉類をヘラでさっくりと、切るように混ぜ、生地にまとめる。

③    出来た生地をラップに包んで、冷蔵庫で最低2、3時間は寝かせる。

この生地で丸型の上下、そして側面を作る。アーモンドプードルが入っているので、生地自体柔らかく、デリケートなので非常に取り扱いが難しい。クッキングシートに生地を挟んで成形し、型に張り付けるようにするなど、工夫が必要となる。なお、生地には予めフォークで穴を開けておく。



【アーモンドクリーム】

  • 無塩バター 150グラム 室温に戻しておく
  • 粉砂糖 150グラム キビ砂糖をミキサーで粉砕
  • 卵3個
  • アーモンドプードル 150グラム
  • ラム酒 小さじ1
  • バニラエッセンス


①    バターをポマード状にし、キビ砂糖をミキサーで粉砕し細かくしたものを数度に分けて入れ込み、混ぜ、事前に溶きほぐしておいた卵も、数度に分けて入れて混ぜ、ラム酒、バニラエッセンスで香り付けをする。

②    篩っておいたアーモンドプードルを①に入れて、しっかりと混ぜ合わせる。

たっぷりの量ができるが、ここで出し惜しみではないが、作り惜しみはしないでおく。作るにあたって適度な量というものがあるのだろう。ご飯を炊くときも、一番美味しく炊ける量があるのと同じに。そう、なんといっても再挑戦の再挑戦なのだから、ここは太っ腹で。残ったアーモンドクリームは、ガレットにもガトーショコラにも、あらゆるお菓子に入れて使うことができるのだから、と自分に言い聞かせる。



【カスタードクリーム】

  • 卵黄3個分
  • キビ砂糖 50グラム
  • 薄力粉 30グラム
  • 牛乳 220ml
  • バニラ1本
  • 無塩バター 20グラム


仕上がったカスタードクリームは、ラップをぴっちりとして冷やしておく。



さあ、タルト生地を底と側面に張り付けた型に、クリームを入れていこう。冷えたカスタードクリームをボールに取り出し、ホイップしてゆるやかにし、アーモンドクリームを80グラム混ぜ合わせる。このクリームを型にぺっとりと入れる。



最後にタルト生地で蓋をし、側面の生地とぴっちりとくっつけ合わせる。牛乳を塗り込んで、フォークで生地に模様をつける。170度のオーブンで1時間、こんがりと焼き上げる。



バターの香ばしいにおいがオーブンから漂い始め、キッチンに溢れる。アーモンドの高貴な香りが添えられているのだから、たまらない。さあ、お立合い、お立合い。今回の出来栄えはいかがでしょう。