久しぶりに家族が集まりました。


リビングは重苦しい空気が立ち込めています。


大丈夫

わかっていたことだから

手放しで歓迎されるなんて

そんな

身勝手なこと、最初から思っていなかったから…


上の子は視線すらあわせようとしません。


夫が


今日から

家族で、生活、するんだよ


このような内容で話を切り出しました。


すると、上の子は


帰ってくるなら

自分が今度は家を出ていく

人の気持ちも考えないで

どうして

勝手に帰って来た


怒り心頭です。


夫は言います


この家は、みんなの家だよ。

誰が出ていくとか

残るとかじゃなくて

みんなで、住む家。

父親である自分が決めたことだよ。


ごめんね

勝手なことばかり言って。

でも、ここで、暮らしたい

話すのが嫌なら

話さなくてもいいから

ここに居させて。


下の子は黙って成り行きを見ていました。


上の子は、話にならないとばかりに

自室に行こうとしました。


すると、下の子が


もう、いい加減にしたら?

自分でもわかってるだろう?

このままの生活、続けて行けると思ってる?


上の子は

自分のことよりも

下の子の心を傷つけた

私を許せなかったのです。


同じです。

父が早くに不在となった私達。

せめてSにだけは

父親がいないことに

引け目を感じさせまいと

頑張って来た私。

同じく、上の子は下の子を

守ろうとしてくれていたのです。


泣くまいと決めていたけれど

涙が出てきました。


ごめんね、

全部

私が悪かった。

ごめんなさい。


夫は黙って上の子の肩に手を置き

語らずとも

上の子の心に寄り添っていました。