『パディントン発4時50分』 アガサ・クリスティ― 早川文庫
はるか昭和の昔、クリスティーの『アクロイド殺し』を読んだ中学生のわたしは、
結末に納得いかなかったため(個人の意見です)、その後何年か、海外ミステリを読まずにいた。
……ら。
大学生んとき、バイトの同僚でクリスティーファンだった子が、読まないなんてもったいない、
おもしろいから、ぜひ読んでみて~とオススメを2冊ほど貸してくれた。
そのうちの一冊が、コレ(ちなみにもう一冊はポアロの『五匹の子豚』だった)
併走している隣の列車内で殺人が起きた~と主張するミセス・マギリカディ。
だが該当の列車に死体は見つからない。
友人の話を信じ、独自に調査をはじめるミス・マープルは、あやしいと思われる地点に建つ屋敷に、家政婦を潜入させる…。
…ってこの設定に、初読時は、ンなバカな~って流し読みしてしまったわたし
だから、最後まで読んだはずなのに、ラザフォード・ホールに家政婦を派遣する、までしか記憶になかった…。
で、平成も終わる今、なんとなく再読してみることに。
あらためて、ああ、こーゆーお話だったのねと新鮮に楽しむことができた。
なんだろ、時が経って、ミス・マープルに近い年齢になったからかしら…
今回、ミス・マープルは裏方に徹し、彼女の手足となって事件の手がかりを探すのは、スーパー家政婦ルーシー・アイルズバロウ
高学歴で、有能で、仕事なんかよりどりみどりだろうに、なぜかフリーで家政婦をやっている。
このキャラ設定がとってもかっこいい
ラザフォード・ホールに住むクラッケンソープ家のいけすかないじーさん、
彼の世話をするオールドミスの長女、早逝した次女の婿、遺産を狙う三人の息子、等々、
人物がゴチャゴチャして、ちょっと頭が混乱したけれど。
結末には(ほんとにまったくおぼえてなかったよ)、あああ~と納得。
犯人はわかりづらいが、動機はとってもわかりやすい
でも、わからなかったコトがひとつ。
最後、ルーシーはいったい、誰を選んだんだろう…