目論見の捉え方が甘い。 | こんちゃんの「社会世相を斬って、見てみる」

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今年4月からの東証の市場区分変更後の所属先が発表になった。

 

 

当初は厳しい基準をクリアした大企業だけという触れ込みだったプライム市場に現在の東証1部上場企業の8割がいくことになり、東証の目論見は崩れた格好になった。

 

 

新規に上場する際に企業は目論見書を提出し、目論見書通りにことが進みか否かが、その後の株価形成に影響を与えるが、東証自体が目論を外してしまった。

 

 

証券市場は参加者が多くなり、売り買いが活発になることで、市場自体のプレゼンスも上がる。

 

 

新規上場企業が出す目論見が外れたことで投資家の信頼を失い、株価が地に落ちたり、下手すれば上場廃止になったりする。

 

 

東証自体の目論見が外れると、海外を含む投資家の信頼を損ね、市場自体の売買が細ってしまうかもしれない。

 

 

それは、東証に上場している企業にとっても問題となるはずなのだが、上場している企業は東証の最上位区分にいる事自体に意味を見出している。

 

 

そこで活発に株が売買されたり、第三者割り当てなどで、市場から資金を調達するなんてことを考えていない。

 

 

今回、流通株式比率や流通株式の時価総額が形式基準の1つとなっていて、売買活性化が東証の目論見だったが、東証1部上場の8割がそれを満たすあるいは満たす予定の計画を立てているということになる。

 

 

ということは、その基準そのものがあまり意味を為さなかったのではないか。

 

 

数値基準をもっと引き上げるべきではなかったのか。

 

 

経過措置の曖昧さについては区分変更の発表当初から指摘されていた。

 

 

イメージとしてはプライム市場はごく少数の企業で、ほとんどの企業がスタンダード市場になる、という姿を目指していたはずだ。

 

 

企業は業績予想より上振れても下振れても、上方修正、下方修正の適時開示を行う。

 

 

それだけ、業績予想の精緻化が投資家からは求められる。

 

 

目論見もそうだ。

 

 

どうも、予想とか目論見とということへの認識がズレているのかもしれないが、そこには何があるのか。

 

 

予想外、想定外のヒットとか、奇跡といった、論理を超えたものへの信仰めいたものが日本には根強く、またそうしたことを称賛する傾向があるのだろう。

 

 

元寇で神風が吹いて勝ったとか、織田信長の桶狭間の戦いとか、第一次世界大戦でのバルチック艦隊撃破とかの話が人気なのと関連しているのかもしれない。