コロナ禍を経験したからと言うこともあるのかと思いますが、中小規模の会社(資本金や売上の多寡ではなく、従業員規模)やオーセンティックな会社(要は古臭い風土の会社)でもコミュニケーションツールにチャットがかなり浸透したと思うのです。
社内の業務指示も、口頭ではなく、チャットでというケースも増えたように感じます。
メールというツールは情報共有や、社外とのやりとりにおいてはいまだに有効だと思いますが、ややオフィシャル感もあり、コミュニケーションツールとしてのポジションは低くなってきていると思うのです。
以前、同じ職場内でのやり取りをメールで行うことが、その職場のコミュニケーション不全の象徴のように語られていました。
隣や前にいるのなら、直接声を掛ければ良いのに、なぜ、わざわざメールを使うのか、と言った論調で。
でも、リモートワークも当たり前になってきた中で、同じ職場内でチャットでやり取りすることを奇異に思うことはあまりない。
チャットは1対1だけでなく、グループチャットもできる。
むしろ、そこが良いところでもあったりする。
そうなった時、組織における指示命令といったもののあり方も変わってくる。
例えば、会社組織であれば、役員から部長に、部長から課長に、課長から係長に、係長から担当者に、みたいに、順繰りに指示が降りてくるのが一般的だ。
以前より、組織のフラット化ということは言われていたが、なかなか思うように進まず、ピラミッド型は根強く残っている。
だが、チャットを使った場合、上のものからグループチャットを使って一斉に指示を出すこともできる。
グループチャットの中で、個々にメンションをつけて、指示を出すことも可能だ。
チャットの特性を活かすとなると、自ずと組織は、少なくとも指示命令系統はフラット化せざるを得ないなってくる。
チャットでピラミッド形式で下ろしていくことも可能であるが、情報量が爆発している昨今において、どの情報が共有されているのか、どこまで進捗しているのか、どれが新しい情報なのか、いちいち個々のチャットを遡らないとならないので手間が掛かるばかりとなる。
そこら辺の頭の切り替えを、「上司」と称される立場の人たちは求められる。
また、指示系統がフラット化した場合、かなり上のポジションの者であっても、ざっくりとした指示というわけにはいかなくなる。
それこそ、経営者からいきなり担当者にも指示が行くとなると、経営者も具体的なことを示す必要がある。
つまり、それぐらい具体的なことが明確に分かっていないといけないことになる。
どういう規模の組織であっても、古臭い指示命令系統のあり方が残っていると、スピードについていけなくなる。
逆に、経営トップですら、会社内の具体的なことが分かっていないと、まともな指示が出せないとなれば、当然ながら、具体的なことを理解するためのパワーをかなり要することになる。
そうなると、当然ながら経営者の年齢も若くならざるを得ないのだろう。
かといって、あまり若いと、今度はAIを超えるような「知恵」とか「哲学」「見識」といったものが身についていないケースもあり、そうしたものを抜きにした経営ならAIに取って代わられる。
チャットというコミュニケーションツールは、「上司」のあり方を根本的に変える要素を持っているのかもしれない。