冴えない男性を描いたものならば『黒い空』だが、
女性を描いたものならばこれだ。
ケイト・リンヴィルは、
冴えない、楽しくない、面白くないイヤーな日常をおくる女性だ。
冴えないとは、
・父親が殺される
・マッチングアプリで出会った男性がハズレだった
・男性から自分がハズレだと思われているとわかってしまう
シリーズ1作目、2作目がこのような状態だった。
舞台はイギリスだが、作者シャルロッテ・リンクはドイツ人だ。
だからかもしれない、ドイツ的徹底性をもって、ケイトの冴えない日常を描く。
面白いのに、読むのにたいへんにストレスを感じた。
読者の私としては、ケイトを友人か親戚のように思っているものだから、
新巻が出た時には、覚悟というか、気構えというかが必要だったのだ。
『私たちがいたのはモスクワから北東にほぼ八百マイルも離れたスロボツコイという町だった。』 (上 141頁)
けれど、朗報だ。
『罪なくして』のケイトは、冴えなくない!普通なのだ!
いやー、いいものですなあ、
冴えなくない、大変ではない主人公の話を読むというのは!
1点だけ注意点はある。
本作で、大変なのは、ことごとくケイト以外である。
読むならガンバレ!
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