独検対策21 | Hidy der Grosseのブログ

独検対策21

記事本体を紹介する前に、いくつかの予備知識

 

1: Der Bundesbeauftragte für die Unterlagen des Staatssicherheitsdienstes der ehemaligen Deutschen Demokratischen Republik (男性形) 旧ドイツ民主共和国の国家保安機関の資料についての連邦受託官。記事中ではさまざまな略称・通称が用いられています。受託官の指揮下で具体的な任務を遂行する Behörde (官庁)は、しばしば、その時々の受託官の名前を冠した俗称で呼ばれます。例えば、初代受託官の時には、Gauck-Behörde (ガウク庁、ガウク機関)。現在の受託官は Roland Jahn なので、今はJahn庁になります。本当は「・・・庁」と訳すのは「・・・amt」だけにしたいのだが…。

 

2: Ministerium für Staatssicherheit 国家保安省。しばしばStasi (シュターズィ、シュタージ)と略されます。

 

3: Deutsche Demokratische Republik ドイツ民主共和国。略称DDR。

 

4: Sozialistische Einheitspartei Deutschlnds ドイツ社会主義統一党。略称SED。

 

5: Länderkammer 諸州会議。Bundesrat (連邦参議院)の非公式な別名。

 

6: Gehaltsstufe A 9 俸給等級A9。軍隊だと中尉、警察だと警視、病院だと婦長。婦長の地位がやけに高いと思うが、ドイツの"被用者も経営に共同参画する"という制度との関連でそうなっているらしい。(詳しくは調べていない。)

 

7: Die Union der Opferverbände Kommunistischer Gewaltherrschaft 共産主義の暴力支配による犠牲者団体の連盟。略称UOKG。

 

予備知識は以上。

 

http://de.nachrichten.yahoo.com/bundesrat-entscheidet-%C3%BCber-stasi-unterlagen-gesetz-061655439.html

 

Jahn庁に勤めている元シュターズィ職員、強制配置転換のおそれ

 

連邦参議院、シュターズィ資料法の改定案を可決

 

AFP   John MacDougall の署名記事

ドイツ時刻2011年11月4日16時(日本時刻 翌5日0時)頃の配信

 

シュターズィ記録に関する受託官 Roland Jahn の連邦官庁に勤めている元シュターズィ職員は、今後、自分の意思に反して配置換えされるかもしれない。これに対応するシュターズィ資料法改定案を、連邦参議院がベルリンにおいて可決したのである。また、この改革によって公職者に対するシュターズィ審査が延長され、内容的にも拡張される。

 

Jahn 庁ではいまだに45名の元シュターズィ職員が働いている。連邦受託官は彼らを手放したがっている。しかし、彼らの意思に反する配置転換は、法的に問題無しとは言い切れない。連邦政府も以前には、今回決定された規定と相容れない内容の考えを公表したことがある。今回の改訂条文では、シュターズィの元正式職員・非公式協力員を今後は一切 Jahn の下に配置することはできない、とも定められている。

 

公職者に対するシュターズィ審査は2019年まで可能になった。もしも延長がなければ、今年の末に終了するところであった。審査される公職の範囲は、数年前にいったん狭められたが、今回 再び広げられることとなった。今後、俸給等級A9以上の職員は、具体的な根拠無しに審査されうる。それ未満の等級の職員は、具体的な嫌疑がある場合には、審査を受けなくてはいけない。そのために、資料の閲覧が簡素化させる。それはもちろん、死亡者の関係者にとっても、研究目的にとっても、である。

 

「法律が最終的に成立したことによって、SED独裁の不法に関する実りある かつ 持続的な解明が今後10年間さらに保証されることになった」と、FDPの Patrick Kurth 議員は声明した。「もしも諸州会議がシュターズィ審査を事実上終了させるようなことがあったならば、それは恥だった」

 

共産主義暴力支配犠牲者団体同盟(UOKG)は改革を歓迎した。「改定案が連邦参議院を通過したことを、我々は非常に喜んでいる」と、UOKG連邦代表の Rainer Wagner は声明した。「これは、DDRの過去の解明が順調に進むだろう、という兆候である」。野党からの批判があったため、連邦議会において法案賛成が多数派になるかどうかは、最後まで先行きが見えなかった。

 

以上。