こんぺいとうオススメ絵本56)

こんぺいとうオススメ絵本56)

ぼくにげちゃうよ

マーガレット・W・ブラウン文

クレメント・ハード絵

いわたみみ訳

ほるぷ出版

みなさんが子育てしていた頃を思い出してください。0才児が１才になり、３才ともなるとお話ができるようになる。かわいいですよね。

　でもそこに、イヤイヤ期がやってくる。

　何だかショックですよね。これがわが子の成長なんだ！とわかっているんです。でも、「ママ、キライ」と面と向かって言われるとツライものです。

　そんな親の気持ちを代弁してくれる絵本があります。

あるところにこうさぎがいました。

あるひこうさぎはいえをでて、どこかへいってみたくなりました。

そこで、かあさんうさぎにいいました。

「ぼくにげちゃうよ」

すると、

かあさんうさぎがいいました。

「おまえがにげたら、かあさんはおいかけますよ。だって、おまえはとってもかわいいわたしのぼうやだもの」

「かあさんがおいかけてきたら、おがわのさかなになっておよいでいっちゃうよ」

「かあさんはりょうしになって、おまえをつりあげますよ」…と言う調子で、

次々!と、山の上の岩、には登山家。庭のクロッカス、には植木屋さん。ヨットには、風という具合いです。

そして最後に人間の子ども、になったら、

「お母さんになって、その子を抱きしめますよ」

「だったら、うちにいてかあさんのこどもでいるのと、おんなじだね」というこうさぎのことば。

ここで、ホッとします。

私も３歳の我が子に、「〜になって、追いかけますよ」と感情を込めて読んだものです。

この絵本は、1942年に出版されて以来、この絵本で2021年ですが96刷(さつ)で、正に子どもの古典となってます。