猛毒エンターテインメント
現代のダークファンタジー
と絶賛されている映画、
冷たい熱帯魚 を観てきました。
以前からずーーーっと、園子温監督 が気になってたんだが
ポールさんのブログを観てどうしても観たくなり鑑賞。
なんと!神戸の映画館ではたった 観客4人 という少なさが一番怖かったカモ??
冷たい熱帯魚
http://www.coldfish.jp/index.html
感想は・・・
いやあああーーー!! よく出来た見事な映画でした
ただし、日ごろ映画を観なれていない人にはオススメできません。
ボクシングをテレビでしか見たこと無い人が
いきなりリング最前列席で観戦してしまい
「汗まで飛んできてさぁー!めっちゃ恐かったわーー!」
みたいに表面的な恐怖だけが残ってしまうでしょうね
エログロを全面的におしだしながらも
主人公の内面をイヤというほどさらけ出して描いた
今までの日本映画にはない、暴力的な秀作でした。
どちらかというと、監督も憧れているという韓国映画テイストがあふれていたのでは?
さて、ワタシてきに恐かったポイントは、
・ 主人公が「愛してる」「愛してるよ」と連呼することで 狂気 を表現していること。
外国人が日本映画で一番不可解なのは、恋愛MAXシーンで
「愛してる」の一言が出ないことだそうです。
日本人のその逆手を使った、この映画のおもしろい観点だなと感心した。
・ 悪・生生しさ=熱い・温いもの
聖なるもの=冷たいもの と対立させた表現方法が上手い。
でんでんの怒鳴り声、テンション、解体シーンの湯気モヤモヤ~まで描く
生生しさは吐き気をもよおす「悪」フルスロットル状態で「熱い」が、
それに対比させた聖なる象徴
富士山、水槽の青さ、十字架、マリア像 などのひんやりと冷たい感覚が
随所でその「悪」を冷やす役割をもち、お見事です
舞台設定も1月やったしね。
・ 年間で一番寒い1月だというのに、
ミニスカート&谷間見せ衣装あたりまえ の女性キャラ二人
どぎついエロシーンよりも、その荒い鼻息がある意味怖かったです
最後に私がこの監督のインタビューで印象に残ったのは
「僕はもう観客に癒しも慰めも与えなくて、残酷な事実だけを提供します」
「僕の場合、いかにも応援歌みたいな映画や癒し系の映画を見ると、暗い気持ちになります(笑)」
みたいな言葉でした。
まったく新しいタイプの、でもベテラン監督さんだそうで、次回作も要チェック
映画中級者以上で、グロシーンOKな方はぜひご覧ください! な作品です