ガブリエル・ブレア著 村井理子訳 齋藤圭介解説
この本は「望まない妊娠」の不安を解消し、生まれてくる命と母体への負担を激減させる前向きな提案と読み取れました。
異性の体のことについて、詳しい人は少なくないと思いますが、最低限以下のことについては知っておく必要がありそうです。
●望まない妊娠は、男性が無責任に射精した場合のみ起きる
● 男性の意識転換と協力で「望まない妊娠」は激減する
●女性の排卵時期は予測できない
● 精子は射精後5日間生き続ける
●男性の生殖能力は女性の50倍で一生続く
●排卵はコントロールできないが、射精は管理できる
● 女性の避妊具は手術と痛みが大きい
● 男性の避妊具はリスクも少なく安価で簡単
以上のことから、男性が避妊するのが生物学的にも無理がなく、望まない妊娠への確率も下げられそうです。
「望まない妊娠」で喜ぶ人は当事者(子ども)を含めていません。
たとえ養子縁組をしても実母子ともにトラウマ(捨てた・捨てられた)をかかえて生きていかざるを得ないのです。
「望まない妊娠」とは、子どもの人生に対し、この上なく失礼です(子ども達の声を聴いてきたので)。
上記以外にも「射精を管理すること」による効用として、以下のことが挙げられます。
● 親になるタイミングをコントロールできる(余裕をもって子育てできる)
●女性の生命、仕事、経済的・社会的な影響を無くす
● 妊娠する不安や心配無しにセックスできる
避妊について
避妊は男性の精管結紮術(せいかんけっさつじゅつ)と女性の卵管結紮術(せいかんけっさつじゅつ)やコンドーム、経口避妊薬などがあります。
精管結紮術(せいかんけっさつじゅつ)=「パイプカット」という名前の方が一般的
女性の卵管結紮術は、男性の精管結紮術(パイプカット)に比べて麻酔や手術の危険性が大きく、術後の苦痛も大きいので、どちらかが避妊手術を受けるのであれば、男性側が受けるべきと言える。
男性にとって、全身で最も敏感な部分にメスを入れるわけなので、恐怖感があったり、激しい痛みを伴うのではないかという心配があったりすると思うが、手術は短時間(15分程度)で済むうえに、ほとんど痛みを伴うこともなく、思っている以上に負担の少ない手術。また、手術後も、手術前と変わらず精液を出すことはできる(違うのは、パイプカットをしたのちは、精液にほとんど精子が含まれなくなる)。 <吉沢クリニックHP参考>
<感想>
タイトルからして、男性が責められる本なのかと思いましたが、そうではなく、「望まない妊娠」をしないための避妊方法や「妊娠する確率を下げるにはどういう行動が効率的か」という内容が印象的でした。
ガブリエルさんも「男性には耳が痛いかもしれませんが」と断りながら、「男性は、一度理解すれば責任ある行動をするし、この話題をすればするほど、男性は責任をもって射精するようになる」と言っています。「反論も対話の一つ」と言っていて、この本をきっかけにオープンに「性を語る」のに良い本だと思います。軽く読めます!
男性が責任ある射精をすることによって、女性も余裕をもって子育てできて、 親になるタイミングをコントロールできるということは画期的なことです。社会的養護の子どもの多くが父親が違う5人兄弟というのはよくある話です。私の母も10人兄弟でしたが、昔は尚更女性が男性への拒否権は無かったし、命がけの出産を強いられていたのですね😥