北海道の東で大雪の日に生まれた。
幼い頃の記憶は、飼っていた白いアイヌ犬、歩き始めた弟と川へ魚を釣りに行く途中で近所のおばさんに家に戻されたこと、ポンプで洗濯している母の姿、たんたん蜘蛛を祖母の背中で見たこと、雪融けのネコヤナギ…
母の実家の前の駄菓子屋、従姉妹と大笑いしたこと、ポテトサラダが大好きだったこと、父が迎えに来て「人形買ってやるから」の言葉に騙され、長い長い時間汽車に乗ったこと、その時とても喉が渇いてたこと…
北海道に戻り、祖母の作るお弁当が茶色くて美味しくなくて悲しかったこと、だからなのか良く叱られたこと、祖父と祖母に内緒で甘味処でお雑煮を食べたこと…
何故だかわからないが、子供心に母や弟のことは訊いてはいけないと思っていた。
今よりずっと大人だった私。
色の白いは七難隠す。年寄りっ子は三文の損。そんな私であった。