私は目の前が真っ暗になりました。
1回の採卵手術のために、また自己注射から始めて、薬の服用、生理が来て(生理痛)、etc.
ものすごい時間と労力がかかること、そして限られたタイムリミットがある中でまたスタート地点… どころかマイナスまで引き戻されたことに、絶望感を感じました。
「え、え、え???
な、なんで…?!」
これまで過去2回の採卵と体外受精(残念ながら陰性)の時、受精しないなんてことはなかったから…
「何か、悪いところがあったとか…?」
私はショックのあまり少し涙目になりながら、草野Dr.に訊ねました。
草野Dr.「ご主人の方の…」
私「え??」
草野Dr.「今回、ご主人の方の数値が悪くてですね… せっかく卵子は取れたのですが…」
私「え?! 夫の方… ですか?」
草野Dr.「最近、コロナに罹ったとかありましたか?」
私「いえ… ないはずですが… 」
草野Dr.「そうですか」
私「夫はまだ20代なんですが…
だから、何か私の方に問題があった、とか…?」
草野Dr.「いえ、ご主人の方の数値に…
この数値では自然妊娠はおろか、体外受精でも精子が受精に耐えられないと思います。
・・・次回は、顕微受精になると思われます」
簡単に言うと、
体外受精は卵子に対して、精子をふりかける方式で自然に受精を待つこと。
顕微受精は、卵子に対して精子を1つを顕微鏡にて、人の手で受精させること。
そもそも不妊治療を始めたきっかけは、完全私側のせいだと思い込んでいたし、夫は10歳も若く当時28歳だったので、問題なんかあるわけないと思い込んでいました。
顕微受精は、最後の最後の手段と思っていたし、人の手を介す分、(医療ミスも含め)リスクが高くなる気がしていました。
(*当時の私の考えです)
私「・・・顕微受精… ですか…」
草野Dr.「ええ、その方が堅実だと思います。次回までにものすごく数値が上がっているとも、分からないですし…」
私「でも… 若いのに… 何で… そういうことあるんですね…」
なかなか受け止めきれないでいる私に草野Dr.は言いました。
「珍しいことではないですよ。
例えば喫煙、飲酒、食生活もだし、最近だとコロナに罹患すると数ヶ月値が悪くなることは知られています。
あと、リモートワークが増えて、膝の上でPC作業する時間が増えることも、原因の1つと考えられますし…」
夫はタバコも吸うし、大酒飲みです。
何となく、私は全て自分のせいだと心のどこかで思っていたので、不妊治療を始めてから、その周期はお酒も飲まないようにしていたのですが、、、
そのあたりの意識は男女で差が出ますよね、、、
みんながそうじゃないと思うけど・・・
どうしても不妊治療は女性の役目、
男は出すもの出したら仕事終わり、
みたいな感覚がまだまだ日本ではある気がして・・・
草野Dr.「それか、コロナの予防接種を最近受けたとか?」
私「…それもないです」
草野Dr.「環境の変化だとか…」
私「う~ん、、 特に、それも…」
「あの… もしかして・・・」
私は、あることを思い出しました。