江戸川弁護士「はい、・・・というわけで、今から先方の田畑弁護士に電話しますね。
受任のご挨拶をします。
新木先生、スピーカーにして電話かけてくれるかな?」
新木弁護士「あ、はい!」
新木弁護士は急いで立ち上がり、先方の受任通知を見ながら番号を押しました。
え?
今???
わし、ここにいますけどww
この場でかけるんかい?!(笑)
プルルルルル……
ドキドキドキドキ
(どんな野郎か…)
「はい、田畑ですー」
3コール程で電話に出たのはなんと、田畑弁護士本人で、何とも気だるそうな声でした。
(うげっ!これが噂の田畑か…)
江戸川弁護士「あ、もしもしこちらT市の江戸川と申します。先生、いつもお世話になっております」
江戸川弁護士は丁寧に挨拶をしました。
田畑「あ!あ、これはこれは… 江戸川先生!
いつも大変お世話になっております!」
江戸川弁護士の声を聞いたとたん、急に田畑は恭しく、丁寧に挨拶をしました。
・・・・・
今になって言うと、
実はこの時点でこちらの優勢(勝ち)を確信していました。
もしここが能力主義のニューヨークとかだったらまだしも、幸いここは日本。
敬語が使われ、未だに年輩者の方が強い(?)世界です。
田畑が江戸川弁護士の名前を聞いたとたん、萎縮したような声色に、
「ばーろ、勝ったぜ」
と思いました。
*一概に年輩の弁護士なら良い…ってことも言えないと思うけど、ある程度経験豊富で知名度も高めな弁護士に頼むのも大事なんだなぁと思いました。
(だからと言って馬が合うとも限らないし… これだけは肌感覚も必要で難しいところですね、、)
江戸川弁護士「この度、我々はこの実さんの代理人弁護士として本日受任いたしました。
そちら、ともき氏からの連絡書につきまして、書面にて回答をさせていただきますので、よろしくお願いします。
本日はご挨拶までに電話をしました」
田畑「あぁ!そうでしたか!それは先生、わざわざありがとうございます」
江戸川弁護士「いえ、ではまた後日、郵送またはFAXにてこちらの回答書を送付しますね」
・・・すると、田畑はあろうことに(まさか私がここにいて会話を聞いているとは露知らず)こんなことを言い出したのです。
「まぁ、てゆーか、これって、あれっすよね。
奥さまの御両親に結構な金額(700万円)を出してもらってるから、論点はそこだけっすよね??」
おい!!!
そこだけじゃねーよ!!!
お前も(やはり)夫から嘘を吹き込まれてるな、、、
突然、田畑が本音でしゃべったので、私は若干聞いてはいけないことを聞いてしまったようです。
江戸川弁護士は慌てて、そしてちょっと呆れて言いました。
「いえ、あのね。ですので、今後のお話は書面にて回答しますから、それ以上はちょっと…」
田畑「え? あ、あぁ、そうですか…
では、お待ちしております」
江戸川弁護士「えぇ、よろしくお願いします。
では本日はこのへんで…」
・・・こんな感じで電話が終わりました。
弁護士同士の会話ってこんな感じなんだ、、、
私の想像では、争う相手方の代理人弁護士なのでもっとバチバチと火花を散らすのかと思ってたけど、何だか平和的ですね。
・・・てか、田畑のやつ、、、
気を抜いてベラベラしゃべりやがって。
(悪いけど全部聞いていたからw)
何となくお前の背景は判ったぜ、、、
というか、面倒くさい案件をとっとと早めに終わらせたい、そんな気だるさまで伝わってきました。
江戸川弁護士「はい。というわけでですね、これで受任のお知らせをしましたのでご安心下さい。
あと、回答書につきましては少し手直しさせていただき、奥さまの原案を元に作成を進めますね。
できましたら一旦奥様にメールで送付しますので、確認下さいね」
私「はい、分かりました。よろしくお願いします」
・・・・・
何だか今日はドキドキしたり、涙したり、感謝したり、ビックリしたり、、、
感情のジェットコースター状態で、心が忙しい日でした。